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社長をクビになった男の告白~失敗と再起から学んだ、経営者としての心得~

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社長をクビになった男の告白
~失敗と再起から学んだ、経営者としての心得~
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経営者の皆さん、こんな経験はありませんか?

・社員との距離が日に日に離れていく
・売上が思うように伸びず、焦りを感じる
・会社の未来が見えず、不安でたまらない

実は、私もかつてそんな悩みを抱えていました。
そして、その結果...一度社長をクビになったんです。

信じられないかもしれません。でも、これが私の現実でした。

「はるさめしゃちょう」こと長田和也と申します。熊本県で春雨を製造する「西日本食品工業株式会社」の五代目社長を務めています。

なぜ「はるさめしゃちょう」なのか? そのまんまですね。当社の主力製品が春雨だからなんです。「わかりやすい」ってことは、ビジネスにおいてとても重要なことだと思います。あなたの身の回りにも「わかりやすい」ネーミングの商品があるはずですので、見つけてみてください。

「五代目」という肩書き。ここには、ある秘密が隠されています。三代目から五代目...その間には、想像を絶する失敗と再起の物語があるんです。

今日は、恥ずかしながら、その経験をお話しします。なぜ私が社長をクビになり、そしてどのようにして再び社長の座に戻ることができたのか。

私の失敗談が、今まさに悩んでいる方の何かのヒントになれば...そんな思いでお伝えする決意をしました。

苦い経験を経て、ようやく気づいたこと。
それは...

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12年サイクルの波乱人生
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私の人生は12年ごとに激変してきました。

・12歳:転校をきっかけに人気者から「いじめられっ子」へ
生徒会長をしていたほど学校で人気者だった私が、転校したことで一気に「いじめられっ子」に。それまでの積極的な性格が、目立たないよう消極的に変わってしまったんです。

・24歳:地元銀行で「総代」に抜擢される
二浪して東京の大学を卒業後、地元の銀行に就職。そこで早々に「総代」という重要な役割を与えられ、再び表舞台に立つ機会を得ました。これが自信回復のきっかけになったんです。

・36歳:三代目社長に就任するも...
8年前に"跡継ぎ候補"として現在の会社に転職し、主任としてスタート。そして36歳で三代目社長に。でも、ここから大きな試練が待っていたんです。

36歳で社長になった私は、"社員からなめられちゃいかん!"と虚勢を張り、パワハラも「必要悪」だと思い込んでいました。

「大きな声と横柄な態度で、古参社員にも認められる」

そう信じていた私は、社員との溝を深めるばかり。現実逃避としてゴルフ、夜のクラブ活動、マージャンに明け暮れる日々...。

毎日朝帰りの生活。社員との気持ちは離れるばかりでした。(そして家族とも…)

ついに、幹部たちの進言もあり、当時会長だった父親から「解任」を言い渡されたのです。

自業自得。全て自分が撒いた種でした…。

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挫折から学んだ大切なこと
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突然の収入ゼロ。家族のため、リフォーム仲介業を起業しました。しかし、現実は甘くありません。"なんでも屋"のような状態に。結局残ったのは借金だけ…。

「私なら絶対にうまくいく」と思い上がっていた私。うまくいかない現実を突きつけられ、心から落ち込み、そして反省もめちゃくちゃしました。

この経験で初めて気づいたんです。

・お金や信用の大切さ
・自分ひとりの無力さ
・創業の難しさ

そして何より、"家族や家業のありがたさ"を。

人生の師との出会いで学んだのは:

「おかげさま」「感謝」「利他の気持ち」

これまでの"他責の念"から脱却し、これらを実践していくうちに、気づけば私を助けてくれる人たちに囲まれていました。

三代目の頃は「うまくいかないのは社員のせい」「売上が伸びないのは市場のせい」「会社がまとまらないのは幹部や父親のせい」と他人のせいばかりにしていました。でも、それが間違いだったと気づいたんです。

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2度目のチャンス
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48歳で復帰し、7年間"会社や社員のために"と懸命に働きました。そして今、5代目社長として60歳を迎えます。

新しい経営理念:
『食で命を育み 子供たちの明るい笑顔を世界に広げる』

自分のためじゃない。社員、お客様、そして未来を支える子供たちのため。この2度目のチャンスを、心から感謝しながら活かしていきたいと思っています。

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経営者・リーダーの皆さんへ
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「なぜうまくいかないんだろう」
「思うように売り上げが上がらない」
「どうして人が辞めていくんだろう」

こんな悩み、誰にでもあります。でも、それは誰のせいでもありません。もしかしたら、自分自身が引き寄せているのかもしれません。

市場や社員、お客様を変えることはできません。でも、"自分自身を変える"ことは必ずできるんです。

「天源自在」という言葉があります。自分自身を変えることで、周りの環境も変わっていく。私自身、この言葉の意味を身をもって経験しました。

かつて、社長をクビになるほどダメだった私にもできたのですから。

これから、私が通ってきた道や、地獄を見て初めて気づいた経営理念、原理原則をお伝えしていきたいと思っています。

悩める経営者、チームリーダー、そして後継者の皆さん。私の失敗と再起の物語が、少しでもお役に立てれば幸いです。

"人は必ず変われる。そして、その変化が周りも変える。"

これが、私の身をもって学んだ最大の教訓です。

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