見出し画像

連作 水母


くつ下の蛍光色だけ浮いていて本日きみは深海魚のよう

そののちを百年雨はふりつづき水母が唸るあおい浪曲

公園から出られなくなるおまじない幼い頃にかけられたまま

信号がさびしい影となるころに おかあさん、ぼくを憶えていますか?

早々にこわい話をやめにして笹船ひとつ流しましょうか

わたしたち類稀なる泥人形おおきいほうの心をあげる




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?