明治天皇が京都から東京へ乗られてきた鳳輦(ほうれん)を、しっかりと見てきました @東京国立博物館
週末に東京国立博物館(トーハク)へ行ってきました。今回の狙いは、明治天皇が…というか天皇が初めて東国にまで足を伸ばした時に乗られてきた、鳳輦(ほうれん)です。
詳細は上記noteに記しましたが、明治天皇の東遷後の明治時代に、今の東京国立博物館、博物館や帝室博物館に展示されていたそうですが、おそらく戦後は収蔵庫に保存されたままで、一度も見られなかったものです。
昨年末(2022年11月〜)の『国宝展』で数十年ぶりに展示されました。その時に見られましたが、こんなに早く改めて見られるとは!
実は以前『国宝展』を見た後に『見どころ』をまとめたnoteを記しました(下リンク)。このnoteはでわたしは「トーハク所蔵の国宝は、定期的に展示されているんです。そのため、トーハクで、いつか展示されるんですよ。でも、このキリンと鳳輦ほうれんは、特別展が終わった後は、もう見られないかもしれないんです」……なんて書いていました。
でも……『国宝展』が終わって、1ヶ月も経っていないのに、いきなり通常展で見られることになってるじゃん!
ということで、週末にさっそく見てきました。
展示場所はトーハク本館2階の、元々は貴賓室として使われていた部屋です(今も時折、天皇ほか皇族の方々も特別展を見に来ているので、その時に使われているかもしれません)。
いつもは1人がけソファなどが置いてあるのですが、それらがすべてとっぱわれて、鳳輦(ほうれん)が、部屋の真ん中にデンッ! と置かれていました。
解説パネルには「明治39年(1906) 宮内省(式部職)より引継がれた」とあります。明治天皇の東遷から約30年後のことですね。
明治天皇が1986年に初めて江戸=東京に来られた時に使われましたが、明治天皇は数カ月後に京都へ戻っています。その時にも使われた…という記録は、ネットでは確認できませんでした。また、明治天皇は、その後にも日本全国を行幸されているんですよね。鉄道施設前には、主に馬車で移動されていたようです。そのため、この鳳輦(ほうれん)は、あまり活躍していなかったと思われます。
鳳凰が屋根の上に配置されています。製作当初は色が塗られていたはずですが、いまは色が落ちてしまっています。
鳳輦の中も、うっすらとではありますが、見られます。こんな狭い乗り物で、京都から来たのですから、ずっと乗っていたとしたら、苦行に近いものだったでしょうね。
前後方向の担ぎ棒が2本しかセットされていませんが、実際には左右方向の担ぎ棒(トンボ)もあったはずです。展示用に省略されているのでしょう。
今回は3月まで展示される予定です。戦前の一時期は、常設されていたようですが、今後はどう管理していくんでしょうかね。まぁかなり貴重なものであるのは、間違いないので、いずれにしても大切に保管されていくでしょう。
■おまけ■
現在、鳳輦が展示されている部屋は、通常は貴賓室として公開されている部屋です(立ち入りは禁止)。その際は、円卓や一人がけまたは数人がけのソファが置かれています。ちょうど昨年(2022年)11月に、貴賓室の様子を撮影していたので、その時の写真を貼り付けておきます。
この時は、部屋の奥の隅に配置されていた2つの照明が気になっていたんです……「これって、なにげにフランク・ロイド・ライトがデザインしたライトだよなぁ」って。よく知られていることですが、トーハクには、そうしたマスターピース的なインテリアも数多く置かれていて……特に椅子なのですが、触ったり座ったりできるんですよね。
■2024年6月15日に画像追加
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