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東洋館の土偶たち @トーハク

先日、東京国立博物館(トーハク)の特別展『古代メキシコ』へ行ってきました。「古代」という言葉に惹かれますよね。古代については、分からないことだらけで、展示品を見ながら勝手な想像が認められる点が面白いですよね。

以前『土偶を読む』という本がヒットしましたが、もちろんわたしも読んでいませんw 読まないのは、土偶に関する誰かの“説”に、それほど興味がないからです。専門家が言っていることだって、どこまで真実か分からないですからね。

例えば「邪馬台国はどこにあったのか?」論争ですけど、傍から見ている限りの印象では、出生か学校が関西出身の学者は近畿説を推しているでしょうし、九州出身の方は九州説を唱えていますよね……印象としては。まぁそのへんは、無理にフェアに研究しなくても良いとは思っています。九州(または近畿)が大好きだから「邪馬台国も九州(または近畿)にあったはず!」という前提のもとに、証拠を探していくのはアリかなと。

話が逸れましたが、『古代メキシコ展』を観に行った勢いで、久しぶりにトーハクの東洋館で、土偶探しをしてみました。

以前のnoteと重複するものもありますが、「これは!」という土偶……実は土偶というかフィギュアですね……もあったので、紹介していきます。

■なぜおっぱいを支えているのか?

《女性土偶》イラク・土製・古バビロニア時代・前18〜前16世紀

イラクで発掘された《女性土偶》です。古バビロニア時代と言われても、世界史に疎いわたしには、ピンと来ないのですが、前18〜前16世紀と言われると、ますます分かりません。え? 紀元前18世紀!? と、あまりにも昔なので、2度確認してしまいました。

以前も見たことのある、こちらの《女性土偶》。おっぱいを両手で持っているのか持ち上げているのか、いずれにしても不思議な仕草ですよね。

たしか、高さが10cm前後の土偶なのですが、その小ささの割には、髪の毛や帽子、太ももの膨らみなど、細部まで写実的に表現している気がします。なにより、ブドウの房のような、ビキニのようなものを着ているのが気になりましたw どういう格好なんじゃろか? と。

■シャレオツなヘアスタイルのエジプト土偶

いやもう今回は、このエジプト発掘の《婦人像》をnoteに載せておきたくて書いています。ケース越しなので分かりませんが、高さは3〜4cmといったところじゃないでしょうか?その小さな胸像に、インパクトのある髪型を比較的にリアルに再現しているようです。また、なにげに首のネックレス? も根気強く作られていますよね。

そんな髪の毛と同じくらいにインパクトが大きいのが、顔の表現の仕方ですね。もしこれが本当に「婦人」であれば、さすがに古代エジプトとはいえ、これはブサイク過ぎなんじゃないか? という気がします。ちょっとこの顔の表現法は、縄文土偶に通じるものがある気がします。美しく再現しようというよりも、そもそも現代人が思い浮かべようのないものを偶像化したんじゃないかな……とか。

《婦人像》エジプト・土製・中王国時代・前2025〜前1794

■猿を擬人化した女性っぽい土偶(テラコッタ)

30個くらいある像を、解説パネルには《テラコッタ小像及破片》と十把一絡げにしてしまっています。とにかく中国のヨートカン(约特干)という場所から、大谷探検隊が持ってきたものだそうです。

《テラコッタ小像及破片》

いつも「ヨートカン(约特干)」とはどこだろう? と思いつつ、ウイグル自治区だとは認識していました。認識しつつも「えーと、中国の西の方だよね」くらいの漠然とした認識でした。そこで今回は、地図ではっきりと見てみようということで、Googleマップを引っ張りだしてきて、見てみました。

ヨートカン(约特干)とは、ホータンというエリアの中心地にほどちかい遺跡の名前です。Wikipediaによれば「ウイグル語: ياتقان、ラテン語ウイグル語: Yatqan」ということで無理やりカタカナにすると「ヤッカン」という感じのようです。

上の地図はシルクロードを示していますが、ヨートカンのあるホータンは、昔から中心地だということが分かりますね。さらに西のカシュガルに抜けられるのはもちろん、西蔵(チベット)にも近く(と言っても遠いでしょうけど…)、経由してパキスタンやインド、ネパール、ブータンなどとも交易があった「かも」しれませんね。

あ……肝心の偶像について書くのを忘れていました。はじめ「女性かな?」とも思ったのですが、こうして写真で見ると、猿を擬人化して女性っぽくした像かもな……なんて、勝手な想像をしています。

■7世紀・中国の“ルンルンしてる”宮女さん

トーハクの東洋館には、いつも《加彩◯◯》と呼ばれる、7世紀に中国で作られた、土製の像が3〜4つ並んでいる展示ケースがあります。今回noteのトップ画像に使っている写真を見てもらえると分かりやすいです。その写真の一番右は、展示されている頻度が高く、いつも場所を変えつつ展示されている印象があります。

そして今回は、その隣にいらっしゃった《加彩宮女》さん。以前は鮮やかな彩色が施されていたんだろうことがはっきりと分かるほど、色が残っていますね。しかも、人形のような可愛らしさを感じます。

解説パネルにも記されていますが、手に注目してください。

両手を「ぐぅ〜!」って感じで、親指を立てています。現代人が、この仕草をしていたら、ちょっとご機嫌で、音楽のリズムに合わせて身体を揺すっている感じですよね……ルンルンッ! って感じで。 

後ろから見ると、身体の細さがよく分かります……って、これ7世紀の唐の時代に作られたとされています……ってことは、日本は飛鳥時代……推古天皇や聖徳太子の時代ですよ。

あれ? 昨日、noteに記した《菩薩立像》と、首から下のニュアンスが、似ているような気がしてきました。ほほぉ……おもしろいなぁ……。

■こちらも美しい《加彩◯◯》です

こちらは《加彩宮女》の隣に展示されていた、常連さんです。常連なだけあって、観覧者からかなり人気なんでしょうね。いつ見ても、美しいなと思ってしまいます。写真のみ貼っておきます。




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