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今度はアウトドアで与謝蕪村の良さを探ってみた@東京国立博物館(庭園)

東京国立博物館トーハクは催し物が多すぎて、館内で何が行われているのかを、すべて把握するのは難しいです。本日(2022年11月6日)まで、同館の庭園にある九条館に、与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製)』が展示されているのも、そんな催し物の一つです。(11月15日からは池大雅の『楼閣山水図屛風(複製)』が展示されます)

正直『山野行楽図屛風』や、それを描いた与謝蕪村の良さは、よく分かりません。だからというのもあると思いますが、展示されているのが本物なのか複製品なのかも、それほど気にしません。特に、今回展示されているのは、キヤノンの最新技術を駆使した高精細複製品なのですからね。

ということで、トーハクの入口を入ってから、特別展から流れてくる人がまだいない空いているうちにと思い、庭園へ直行しました。

『九条館』

九条館は、もともと京都御所内にあった九条邸の一棟を、東京の赤坂に移築したものだそうです。きっと明治維新によって赤坂へ引っ越した九条家と一緒に、東京へ移ってきたということでしょう。そこでは、当主の九条道実さんの居室として使われていたそうです。

その九条道真さんの跡を継いだ九条道秀さんが、昭和9年(1934)に、トーハク(当時の帝室博物館)へ寄贈されて、赤坂から上野へ移築されたそうです。

周りには木々が林立しているので、建物の全容をパッと見ることはできませんが、トーハクの落ち着いた庭園内にあるということもあって、お寺の建物のような雰囲気です。

トーハクの庭園には九条館を含めて5棟の、明治以前の建物が移築されています。いずれも茶室として貸し出しているのですが、茶を嗜まないわたしが、建物内に入る機会はありません。

今回、もしかしたら中に入れるのかな? なんて淡い期待をしながらワクワクしながら建物に近づくと……どうやら九条館の中にある与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製)』を、庭の外から眺められるよ……という演出のようです。

ちょっとガッカリ……(笑)

中から建物の雰囲気を楽しみながら、じっくりと『山野行楽図屛風(複製)』を眺める……ことはできませんが、外の庭や建物など“和”の雰囲気の中で見る屏風は、また博物館の内部で見るのとは異なり、格別……と言って良い気がします。

与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製・部分)』

展示用のガラス越しではなく、(複製だからですが)直接観られるのもうれしいです。

与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製・部分)』
与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製・部分)』

思えば、こうした屏風を一般人のわたしが、ふらっとトーハクへ行けば観られるというのは、すごいことだなと思います。だって、この建物だって公卿さんの屋敷の一棟だったんですからね。時代は確実に変わって来たんだなと……「なに言ってんの?」と思われそうなことに、思いをめぐらせてみたりしました。

九条館で、与謝蕪村『山野行楽図屛風(複製)』が観られるのは、本日(2022年11月6日)までです。来週はお休みで、11月15日からは池大雅の『楼閣山水図屛風(複製)』が展示されるとのこと。絵の価値を分かっていないわたしが言うのもなんですが、ぜひ九条館で観て、その良さを体感してもらいたいです(笑)。

池大雅『楼閣山水図屛風(右隻・複製)』


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