東京国立博物館(トーハク)は、所蔵品の画像データを誰もがアクセスできて、利用できるようにしてくれています。ただし……巻物みたいな作品の場合は特になのですが、その画質が残念なものであることが否定できません。
現在、トーハクに展示されている松花堂昭乗が書いた《詩巻 B-972》も、そんな残念画質の1つです。ということで、その《詩巻》をiPhoneで撮ってきた画像を、noteしておきたいと思います。ちなみに下記URLがトーハクのアーカイブです。
●温庭筠「天寶年中事玉皇」
贈禅筝人
温庭筠
天寶年中事玉皇
會将新曲教寧王
鈿蝉金雁皆零落
一曲伊州涙萬行
●鮑溶「紫煙衣上繍春雲清隠山」
鮑溶「贈楊錬師」
紫煙衣上繍春雲清隠山
書小篆紋明月在天
将鳳菅夜深吹向玉宸君
「贈日東●禅師 鄭谷」の詩については、なにが記されいるか……お手上げです。鄭谷さんは唐代の人。進士に及第したエリート役人。
●「寂」
上画像の右から2行目に大書されているのは「寂」という文字なのだそうです。1089ブログによれば、弘法大師・空海の書風から生まれた「大師流」の書風で書かれています。解説パネルにも同じようなことが記されていたのですが「さいごのハネの部分がうねるように書いてあることが多い」とあるのですが……「最後のハネ」って、どこのことを言うんですかね……。
●杜牧「漢江」
その「寂」の字の左側には「漢江 杜牧」とあります。どうやら下記サイトに記してある漢詩を記したようです。
溶溶漾漾として 白鷗飛び
綠浄く春深くして 好く衣を染む
南去北来 人自ずから老い
夕陽長く送る 釣船の帰るを
●唐李「郢秋月」
■不明
■司空曙「自河西歸山」
舟河西歸山 司空曙
水闊風高去路危
孤舟欲上更遲遲
鶴羣長繞三珠樹
不借閒人一隻騎
●不明……お手上げ