『本阿弥光悦の大宇宙』の関連展示……友達の松花堂昭乗が書いた三十六歌仙
徐々に書いていくnoteです……。
本日は仕事をサボって東京国立博物館(トーハク)へ行ってきました。西高東低の冬の典型的な気圧配置だったのですが、低気圧が近すぎたようです。そのため北風が物凄い勢いで吹き込んできて……凄まじい風が吹いていました。
それでもトーハクの芝地には、春の野の花がちらほらと咲いていました。
ぺんぺん草も強風にゆらゆらと揺れていて……。何枚撮ってもブレてしまいました。後ろにはカラスノエンドウが絡んでいましたし、もっと地面に近いところにはオオイヌノフグリの花も開いていました。
ということで、今日も特別展『本阿弥光悦の大宇宙』も、まだまだ好評のようですね。その本阿弥光悦と交流があっただろう……そしてトーハク本館の総合文化展(常設展)には、光悦や近衛信尹とともに江戸時代の、寛政の三筆に数えられた松花堂昭乗の書が、ずらりと並んでいました。豪華!
展示されていたのは、松花堂昭乗の《三十六歌仙帖》です。
三十六歌仙は、藤原公任が選抜した歌詠みたちです。
藤原公任といえば、大河ドラマ『光る君へ』では町田啓太さんという方が演じていますね。あんなにキリッとしたイケメンでだったのかは分かりませんが、お父さんもおじいさんも関白や太政大臣を歴任しているので、超エリート一家の貴公子だったことは間違いありません。
■柿本人麻呂(人丸)『ほのぼのと あかしの浦の 朝霧に』
ほのぼのと あかしの浦の 朝霧に 島がくれゆく 舟をしぞ思ふ
■凡河内躬恒(?)
■大伴家持『春の野に あさる雉乃』
春の野に あさる雉乃 妻恋ひに
をのがあたりを 人に知れつつ
■在原業平『世の中に たえて桜の なかりせば』
世の中に たえて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし
■猿丸太夫『奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の』
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき
■中納言兼輔『人のおやの こころはやみに あらねとも』
人のおやの こころはやみに あらねとも
子をおもふみちに まとひぬるかな
■藤原敦忠『あひみての のちのこころにくらぶれば』
あひみての のちのこころにくらぶれば
昔はものを 思わざりけり
■源公忠『行きやらで 山路くらしつ郭公』
行きやらで 山路くらしつ郭公
今一声の きかまほしさに
■斎宮女御『ことの子に 峯の松風かよふらし』
ことの子に 峯の松風かよふらし
いづれの緒より しらべそめけむ
■源宗于『ときわなる 松のみどりも 春くれば』
ときわなる 松のみどりも 春くれば
いまひとしおの いろまさりけり
■藤原敏行『秋来ぬと めにはさやかに見えねども』
秋来ぬと めにはさやかに 見えねども
風のをとにぞ をどろかれぬる
■藤原清正『天つ風 ふけ井ぬ浦に』
天つ風 ふけ井ぬ浦に
ゐるたづの などか雲井に
かえらざるべき
■興風『ちきりけむ 心ぞつらき七夕の』
ちきりけむ
心ぞつらき七夕の
としにに一度
あふはあふかは
■坂上是則『御吉野の やまの白雪』
御吉野の
やまの白雪 つもるらし
ふるさとさむく
なりまさるなり
■三条院女蔵人左近『岩橋の夜の ちぎりも絶えぬべし』
岩橋の夜の ちぎりも絶えぬべし
ある くわびしき
かつらぎの神
■藤原仲文『千とせまで かぎれる松も けふよりは』
千とせまで かぎれる松も
けふよりは
君がひかれて よろづ代や経む
■平兼盛『くれてゆく 秋のかたみに おくものは』
くれてゆく 秋のかたみに おく物は
わがもとゆひの
霜にぞありける
■壬生忠岑『有明の つれなく見えし 別れより』
有明の つれなく見えし 別れより
あかつきばかり うきものはなし
■詠み人知らず……というか、誰っすか?
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