ショートショート ある戦い

*はじめに
このショートショートはフィクションです。

あっけなく、この世界は終わった。
それは突然のことだった。

地球の温暖化や、どこかの国のミサイルや
いろいろと心配されていたようなことでは
なく、ある日突然現れた大量の円盤の群れに
地球は乗っ取られてしまった。

彼らは僕たちが手を焼いていた為政者たちを
こともなげに追放し、これからは自分たちが
この星の支配をすると宣言した。

彼らは姿を見せず、代理人と呼ばれる地球人
たちを操って指示を出していた。

代理人を見分けるのは簡単だった。
目が赤く光るのだ。

逃げ惑う僕たちを、これもまたこともなげに
捕まえては、処分した。

なんとか逃げ延びた人たちも、
どこに行っても異星人の代理人が監視して
いて、とても逃げられないことに気づき
諦めた。

残った僕たちは集められ、
いくつかの場所に押し込められた。

異星人たちの目的はこの星の豊富な水だと
いう。大量の円盤が海の水を吸い上げる。
僕たちはそれを眺めているだけだった。

彼らは残った僕たちを殺すような面倒な
こともしなかった。それどころか簡単な
食事までくれた。なぜかは後で知ること
になる。

僕たちは、異星人たちの監視が緩いのを
いいことに、抵抗軍を結成した。

リーダーの老人は見たことがあると思って
いたら、僕の学校の恩師だった。

リーダーによると、異星人たちは海の水を
吸い上げ終ったらこの星を見棄てるという。

立ち去る時に、僕たちは彼らの食料として、
円盤に積みこまれるらしい。
それほど円盤の大きさは巨大だった。
ひとつの円盤が街ひとつ分くらいある。
その円盤が無数に空に浮かんでいるのだ。

逃げる事が出来ない僕たちには、
このままでは絶望しかなかった。

リーダーの言葉を信じ、
僕たちは決死の覚悟で異星人に立ち向かう。

円盤は1万メートルの上空にあるので、
僕たちの手には届かない。

なのにどうして、代理人たちを操る事が
出来るのか、科学者のメンバーが研究を
進めていたが、
やがて、そのやり方がわかった。

どうやらどこかに地上部隊がいるらしい。
その地上部隊から電波のようなもので
操られていた。
1人だけ拘束することに成功した代理人を
調べたことでわかった。
このために多くの犠牲があったけれど。

その科学者がいうには地上部隊は代理人を
操る送電所のようなもので、
それを破壊すれば、地球人に命令すること
は出来なくなるはずという。

僕たちはリーダーの指示のもと、
攻撃部隊を編成し、地上部隊を攻撃する。

すっかり油断していた代理人たちは、
あわてふためき、たいした抵抗をすること
もなく、逃げて行った。

そこにある機械を壊すと、
僕の地域の全ての代理人が異星人から解放
された。

この調子で、僕たちは軍施設を取り戻し、
異星人たちに反撃を開始した。

先の戦いで負傷したリーダーは、任務を
継続することが困難になり、リーダーの
指名で僕が次のリーダーとなった。

僕はこの星を取り戻すことを誓い、
やがて、この星の王となる。

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