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詩 雪だるま

踏み切り待ちの
道の脇で、

小さな雪だるまを
見つけた。

僕はその雪だるまを
見つめてる。

すると
景色は淡く揺れ、

そして
意識がボンヤリずれる。

意識が過去に飛んでいく。

意識は過去に張り付いて、
目の前の景色に重ね合う。

懐かしい感情が
僕のこころを捉えて、

記憶の底を
手繰り、手繰る。

けれども
糸は切れていて、

感情だけが
取り残される。

景色は日常へと戻り、

僕は雪だるまを
見つめてた。

もう一度同じ感情を、

呼び戻そうとしてみても、

通り過ぎたものは帰らない。

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