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詩 登る山

沈む、沈む、沈み込む。

すると、踏ん張りが、
効かなくなる。

全てを投げ出し、
逃げたくなる。

それもできないから、
何もしたくなくなる。

部屋の隅で、うずくまる。
台所の影で、しゃがみ込む。

救いなど現われなくとも、
立ち上がらなければ、
進めない。

目のまえに、
登る山はそびえ立ち、

僕は呆然と眺めて、
登るのを先送りにしている。

登りきれる自信はないのに、
僕には登る選択肢しかない。

一歩、一歩、前だけ見つめ、
なるべく先は見ないように。

いつの間にか頂上について、
景色を見渡せたなら。

そして来た道を振り返り
この道しかなかったのだと
思えたのなら。

今がどんなに辛くても
独りの不安に怯えても

忙しさの中に埋もれながら
間違った道を選びながら

誰かを傷つけたりしないかと
取り返しのつかないことに
ならないかと

ビクビクしながら
過ごしている

僕の進む道に
標識の様なものがあって

僕の進む行先や
僕の進む速度や
僕の進む目的を

教えてくれたら楽なのに

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