どんどん混ざり合う
コーヒーにザラメをスプーン一杯入れ、2~3回かき混ぜたくらいで飲むコーヒーは甘いところと甘くないところが交互に口に流れ込んできて「違い」を楽しめるのがいい。
きちんとコーヒーをかき混ぜきって、均一化した甘さを楽しみたい人もいるだろう。
けれど私は、一杯のコーヒーだけど、その器の中に均一ではない世界を見つける楽しみがとても好きだ。
で、ときどき、涙の雫くらいのクリームを垂らしてその部分だけを口に含み、クリームの豊かな広がりを楽しんでみたりする。
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その地域でしか食べられなかった食べ物が、今ではどこにいてもだいたいは食べられるようになった。
便利になって嬉しい。
でも、
ここで食べられないものを、
そこに食べに行く、
という楽しみが薄くなってしまった気がして寂しくも感じる。
世界はどんどんかき混ぜられて均一化していく。
人間もどんどん混ざり合って、そのうち、人種って何だっけ?とか言い出す時代が来るのかな。
食べ物も人間もお店もファッションもスマホも言葉も生活も観念もみんなだいたい同じ。
地球上のどこにいてもだいたい同じ。
って日が来るのかな。
一杯のコーヒーのカップの中にさえ違いを作って楽しみにしている私には違いがなくなるのはやっぱ嫌だなと思うけど。
というかその頃にはこの世にいなくなってるか。
と、帰宅途中に考えた、とりとめのない思考でした。