「近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係」が俺にぶっ刺さった話
こんにちは。はこぴです。先日9-nine-シリーズを完走し、ノベル読みたい欲が高まっていた所、Kindleでカドカワ祭ゴールデン2021によるセールが行われていたので面白そうだな~と思った青春小説を何冊か購入しました。今回紹介する本はそのうちの一冊、久遠侑先生の「近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係」です。
あらすじ
2巻構成になっており、どちらの巻でも主人公視点で物語が進行していきます。今回紹介したあらすじは1巻ですが、2巻のあらすじは1巻ラストの展開のネタバレが含まれているので、もし一気に駆け抜けたいという方は2巻のあらすじを見ずに読むことをオススメします。
感想(ネタバレ無し)
まず一番に思ったのが、情景描写、心情描写が繊細で丁寧だなという事です。noteを書く際に色々レビューサイトを見ましたが、それについて言及している方が多かったです。例えば、
こういった描写がいたるところでされていて、地の文の割合が他のライトベル作品に比べて多いです。これをテンポが悪いと考える方もいらっしゃるみたいですが、個人的には没入感を強く感じて物語をより楽しめたので良かったなと思いました。
ここでは引用文にヒロインの描写を使いましたが、この作品、ヒロインの描写にめっっっっちゃフェチズムを感じます。一番好きな描写はネタバレになるので後述しますが、妙な生々しさがあり、読んでで20回ぐらいは「やべ~~~~~~~~~」って叫んで読んでたスマホをベットに投げつけました。気持ち悪いね俺。
その描写を支えてくれる部分として、和遥キナ先生が描く、透明感あふれる登場人物の挿絵がこの雰囲気を作り出しています。文章を読む中でここの描写、どんな感じなのかな~って思った時に必ず挿絵が入っているのが非常に良かったです。
また、この作品の他の特徴として、スタート地点こそ、ラノベやギャルゲにありがちなものですが、そこからは少し違うような気がしていて、ありふれた日常の中での出来事を主人公の健一がどう捉えて、それによって心情がどう変化していったのかという部分を丁寧に描いています。
で、これがどの層に刺さるかなぁと思っていたんですが、会話のテンポ感を楽しみたい人よりかは、情景を思い浮かべながら物語に没入して楽しみたい人に刺さるかなと思います。あと、高校生の時のような感受性を失ってない人はドキドキしながら読めると思いました。
------------------------------以下ネタバレ有感想------------------------------
感想(ネタバレ有り)
ちなみに、一番好きな描写に関して言うと、
これ読んで「うわうわうわうわあ」って言って頭抱えました。前述したような生々しさもあるし、幼馴染という健一と深い関係を既に築けているポジションにありながら、健一の行動や言動が里奈に向いているように感じてしまった事で、嫉妬(独占欲?)が爆発しこのような行動に及んだという一連の流れの描写が完璧でした。「そういうことだから」っすか...こっちの気持ちに気づけと...
僕は、普段そういう態度を見せないヒロインが嫉妬心を出すシーンがめちゃくちゃ好みなので(9-nine-のみゃーこ先輩もそう)、本当に情緒がおかしくなりそうでした。
ちょっとだけ気になったのは、上記の事があってから、半年間健一は由梨子への返事を保留してるんですよね。いやまあ、自分の気持ちを整理するのは大事だしその過程もしっかり描かれていたから文句もなく納得できたんですけど、流石に半年は長すぎないかなぁと思いました。由梨子が可哀そう;;
あとは、これずっと読んでて、三角関係の物語って思ってたけど正確には違うんですよね。由梨子→健一は明確な恋愛感情としてあったけど、サイドストーリーを見るに、里奈→健一は同居しているという状況下で多少の意識はあったけど明確な恋愛感情までにはいかなかったのかな?と思います。自分の読解力に自信が無いので筆者の意図に沿っているが分かりませんが...
------------------------------ネタバレ有感想終わり------------------------------
最後に
もしこの文章を読んで少しでも読んでみたいなと思った方、
今Kindleで買うと2冊合わせても800円弱になってます(5/27まで)。確かに人を選ぶ文体であることは否定しませんが、この雰囲気が好きな人にとってはたまらない作品だと思います。僕個人としてもこの本について語り合いてえ~~~って思っているので買ってくださいね(ダイマ)
忘れてた!この作品、ヒロインサイドから見た物語もカクヨムの方に連載されているので、本編読み終わった後に是非読んでみてくださいね、解像度が高まる感覚がします。
なにかあれば、はこぴ(@hakop_2nd)まで
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