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映画日記 紀里谷和明/監督『世界の終わりから』アニメみたいな実写映画


ネットフリックスで『世界の終わりから』という映画を見た。

紀里谷和明監督の最新作にして最後の作品『世界の終わりから』予告編


公団のような建物の居室にベッドがある。老婆が寝ている。病人のようだ。孫らしい女子高生と、医師と看護婦がいる。

医師が「ご臨終です」みたいなことを言う。看護婦が、女子高生に慰みのコトバをかけて、医師と看護婦はいなくなってしまう。ベッドの遺体と女子高生が残される。

そんなファーストシーンだったと思う。

両親はしばらく前に交通事故で亡くなっている。祖母も亡くなり、伊東蒼が演じる主人公は一人暮らしになる。

女子高生はその後、普通に高校にいく。高校には片足が不自由で松葉杖をついている男子の同級生がいる。彼は何かと親身になってくれる。

女子高生は、虐められている。虐める同級生が3人くらいいる。教師の存在は感じられない。

その後、何が何だかわからないが、政府のとある組織の人だかなんだかの男女が主人公に近づいてきて、見た夢を教えてくれと言う。その夢が、世界の未来を予言しているかのようなことを言う。

映画のどこかで、世界の破滅が2週間後に迫っていると提示される。それがどの場面だったのかは、忘れてしまった。

その男女は主人公の警護もする。拳銃を持っているから、それなりのライセンスを持った身分だ。

主人公の見る夢は、白黒で表現される。

その中に主人公と同じ名前の10歳くらいの少女が出てくる。そこには野武士のような人たちが出てくるので、何百年も前の日本のようだが、少女は特殊なデザインの衣装を着ているので、昔の日本というよりも、国籍不明の地を舞台にしたファンタージーに見える。

警護の男が、とある場所に主人公を連れて行く。さびれて半分以上閉店している店が連なったアーケード街の奥に、地下なのか大きな部屋があり、そこに夏木マリ演じる老婆がいる。

老婆は、世界のすべてや個人個人のすべてが書いてあるという本を持っている。その本の文字は、昔のラーメン丼の内側にあった四角い渦巻き状の模様によく似ている。今読んでいるか、もしくは今まさに起こっている行の文字が、浮かび上がったり動いたりしている。

主人公は、老婆に催眠術のようなものをかけられると、過去と現在を行き来するようになる。

過去のモノクロの世界では、北村 一輝が演じるフードを被ったキリスト教の修道士みたいな人物が、悪?の象徴のように登場し、主人公に絡んでくる。この男は世界の破滅推進派のようだった。

現在に戻ると、高橋克典演じる内閣官房の一員みたな人物が、主人公に絡んでくる。この人物に、なんの役割があったのか、よくわからない。

なにがどうなったかさっぱりわからないのだが、主人公が世界の破滅を握っていることになって、主人公は、心の上では世界を救おうと頑張る。しかし、具体的に何を頑張るのかは、わからない。

が、世界の終わりはその頃既に三日後に迫っているのだった。

夢の中の存在だった北村一輝が現在にも出て来て、境がなくなって来る。主人公の奮闘?も空しく、警護の者たちも夏木マリも襲撃されて死んでしまう。結局、世界は終わってしまって、主人公の思いは叶わなかった。

今度はどっかの山の一面に火山岩が転がっているようなところを、宇宙服を着た冨永愛が歩ている。

急にSF映画になる。

土の中に埋まっている何かを探知して、掘り出す。金属の筒が出て来て、中には手紙が入っている。主人公の女子高生が未来の誰かに向けて書いた手紙だ。

そこには1人の少女を救ってくださいと書いてあった。

それを読んだ冨永愛は、宇宙船のようなタイムマシンのようなものに乗って、過去?に行く。そこは、主人公が見た夢のモノクロの世界だ。

そこで冨永愛は、野武士たちから10歳ぐらいの少女を救う。主人公の女子高生が夢の中の過去で見ていた少女だ。

少女が救われて、現代のちょっと前の主人公の境遇も変わっている。両親は交通事故で死んでおらず、家族三人、幸せそうに暮らしている。祖母は、…出てこなかった気がする。

冨永愛が過去を変えたことで、その後の未来が、希望のあるものに変わった、という結末のようだった。

ざっとあらすじを書くとこんな映画だった。

監督は紀里谷和明という人だ。ウィキによると、宇多田ヒカルと結婚していたことがある人だ。映画監督だけど、作品数は少ない。それなのに『世界の終わりから』を最後に、監督業からの引退を表明しているという記事があった。


主演の女子高生を、以前に見た『さがす』という映画の伊東蒼がやっているので、私は見てみたのだ。

結局、集中して見ることは出来ず、でも日本映画だから、セリフを耳で聞きながら、ながらで最後まで見た。ごめんなさいだ。だから上に書いたあらすじは、かなりテキトーだ。

一行で言うと、「身寄りのいなくなった女子高生が世界を終わりから救おうとする」映画だ。

こういうのを、「セカイ系」というのだろうか。

アニメやライトノベルなどではお馴染みな気がするが、私はどちらにも詳しくないので、よくわからない。

とにかく、普通の女子高生が、なぜか、世界とか地球の破滅のキイパーソンになっていて、なんとかして救おうと奔走するのだ。なんで彼女が中心なっているのは、不明だ。

こういう物語が、大抵、そうであるように、彼女を取り巻く人間関係は、とても狭い。他の登場人物にも、社会性を持った人はおらず、極端な人ばかりだ。

アメリカの映画で、単なる一個人が、国の危機とか巻き込まれた事件を、超人的な働きをして解決する、というパターンがあるが、それに似ているが、どこかが決定的に違っている。

この映画の「セカイ」と「主人公」の間には、「段階」が何もない。ある時期からの日本のマンガと同じだ。昔のマンガには、少年少女を導く大人が登場していたが、1980年くらいを境にして、日本の少年マンガから大人は姿を消して、少年少女と老人しか出なくなった。

この映画の場合、大人に相当するのが「段階」だ。

だからこの映画は、日本的と言えばとても日本的で、伝統に則したモノガタリな気がする。

他の映画で見覚えのあるロケ地がいくつか出て来て、ちょっと鼻白んだ。
日本アニメのような実写映画だった。

って、アニメにも詳しくないのだけど……。

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