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書籍レビュー『スコアをつければ組織は動く』

ルールのわからないスポーツに人は熱狂しない。しかしルールのわからない仕事は多い。

想像してみてほしい。

あなたが何かスポーツをする際に、ルールも、どうすれば勝てるかも、現在どういったスコアになっているかもわからずプレーして、いきなり敗北を告げられたらどうだろう。
そんなスポーツには興味も熱意もわかず、一向に上達もしないだろう。
当たり前である。

しかし、そんなことが職場では日常的に起こっているのだ。
職場で働くメンバーは、自分が組織から求められているゴールもわからず、どうすればゴールにたどり着けるかという点の取り方もわからず、現在どんなスコアなのかもわからずに、日々上司からの指示に対応している。

そして半年が過ぎて評価のタイミングで上司から試合の結果(自身への評価)を聞かされるのだ。
これでは仕事に対する意欲も成長も望めない。

本書はそうした組織の改善のために、スコアキーピングを勧めている。
スコアキーピングとは、メンバーの良い行動を記録し、マネージャー(コーチ)とメンバーが現状に対して「良い」のか「悪い」のか共通認識を持つためのツールである。

マネージャーはメンバーを管理し、悪い部分を指摘するのではなく、コーチとしてメンバーの良い点をほめ、状況が芳しくない場合はどうすればよいかを相談することで目標達成を支援するのである。

従来、日本企業では個人目標はあいまいにされがちだった。
成果主義により目標を設定されても、自身の努力以外の環境要因に左右されることも多く、メンバーにとって満足できるものでないケースもある。
メンバー自身が、自分が納得できるスコアカードを作り、それを使ってマネージャーと共に成長していくことができれば、仕事はもっと面白く、ゲームになるのかもしれない。


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