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書籍レビュー『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』

『そのやり方で本当に売れるのか』

営業に携わったことのある人であれば、だれしももっとうまくセールスができるようになりたいと思ったことがあるはずだ。
本書は大型商談(B to Bを前提とした100万円以上程度の商談)を成約に導くための営業術についてまとめられている。
その中では、こんなことが述べられているのだ。

・強引なクロージング・テクニックは小型商談では有効でも大型商談では商談決裂を引き起こす
・オープンな質問とクローズドな質問という手法は大型商談では全く役に立たない
・反論に対処するためのスキルを身につけても大型商談では意味がない
・商品の利点を訴求しても大型商談では効果がない

どうだろう。
一般的に考えられていることとは全く逆ではないだろうか。

しかし、これは著者の思い付きや机上の空論ではない。
著者が実際に数万というセールス案件に立ち会い、その内容を分析して出した結論なのだ。
営業というとどうしても個人のスキルに頼りがちで、一部のトップセールスパーソンのノウハウを真似したくなるものなのだが、こうしたデータに裏打ちされた方法は凡人でも採用できるし、商談を成約させる確率を統計的に高くすることができる。

本書で述べられている質問方法の分類や、商談の成否の判定など、営業の現場からするとその定義づけには意味を感じないかもしれない。
しかし、個人ではなく組織で、確率的に勝てる商談を進めていくのであればこうしたデータに裏打ちされた手法を試してみるのも悪くないのではないか。


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