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コロナ後の箱根について考える。

前回のおさらいになるんですけれども。
まず大前提として、このまま5月31日で緊急事態宣言が解除されたとして。
まぁその1週間くらい前に「5月31日で解除しますよ」って
発表がありますよね。

で、その時に絶対に「ただし」って。
「ただし、解除後も3密は避けてソーシャルディスタンスを意識して
生活してください」と。
「できるだけ不要不急の外出は避け、込み合う場所を避け、不特定多数との接触を避けて生活してください」と。
「新しい生活様式を参考にし、実践しながら日常生活を送ってください」と。

まぁ、絶対にこういうことになりますよね。
6月1日から「もう大丈夫!今までどおり生活してください!」とはならない。
「もう、どんどん観光にいって経済を回してください」とはならない。
そもそもの「新しい生活様式」のなかで、
「観光はひかえめに」って明記されてしまっているわけで。

新型コロナウイルスで日本だけではなく、
世界中の経済が大ダメージを受けている中で。
そこから経済が回復して観光客が戻ってくるとか、そういう問題以前に。
「これまで通りの観光産業のやり方ではもうダメだ」という認識が必要で、
そういう考えのもとでこれからの新しい観光のあり方を考えていかないと、
箱根とか京都とか、いわゆる人気の観光地はあっという間に転落してしまうと。

なので、前回の話しに戻りますけども、
緊急事態宣言解除に向けて準備を始めましょう、と。
そういう話になってくるわけですね。


そんなわけで緊急事態宣言が解除された後の観光について、
考えていくんですけども。

コロナ以前、2019年まで人気だった観光地ほど、
コロナ後の観光で苦戦を強いられます。

これはもう、今回のコロナによって浮き彫りになったというだけで、
人気の観光地がもともと抱えていた問題があって。
今流行りの言葉を使わせてもらえば「密」なんですよ。
とにかく「密」なんです。

公共交通機関の混み合いもそうですし、
お昼時の飲食店は1時間以上待つし座っても満席状態だし。
人気の観光地=人が多い、ってもう当然のように思っていて。

どんどん来てください、と。
そしてその観光客を受け入れるためにどんどんホテルを増やします、と。
で、さらに観光客が増えて、
観光地の中でも人気のスポットは長蛇の列。
なんていうか、それが人気観光地の証だ、みたいなね。

それで人気の観光地が成り立っていたわけですけども。
それがもうそろそろ、限界に来ていた。
これはもうコロナよりももっと前にですね、
すでに限界だったんですよ。
みんなが目を背けて、見ないふりをしていただけで。

箱根で働いていて、ずっと感じていましたもん。
夏休みとか、紅葉の時期とか、年末年始、GW。
「いま箱根に来ても、楽しくないでしょ」って。
ほとんど「待ち時間」で潰れちゃいますもん。

めちゃくちゃ混んでて、いっぱい並んで、
それでやっと辿り着いた有名スポットで写真を撮って、
その写真をSNSにあげる。
Instagramに素敵な写真をアップする。
これが少し前までの旅行の「動機」で。

だから多少混んでいても人気の観光スポットに行きたい、と。
ほとんど「待ち時間」と写真を撮ることで旅行が終わったとしても、
それで満足だったんですよ。
人気スポットに行くことが目的の旅行だから。
めちゃくちゃ混んでるのはわかっているけど、
それでも人気スポットに行きたい、と。

この部分が、これから大きく変わってくるんですね。

緊急事態宣言が解除されたあと、
これからの観光地に求められるもの。
そもそもの旅行先を選ぶときの大前提として、
「コロナのリスクが少ないところ」というのが大事になってくる。

宿泊するホテルや旅館、ランチを食べる飲食店。
そういうところがどういう対策をしているのか。
そういったことも事前に調べるようになるでしょうし、
お店としてはしっかり対策した上で発信をしていくことが大事になってきます。
もちろんそれは大前提としてあるんですけども。

人気の観光地、つまりいつ行っても混んでるイメージの観光地って、
もうそれだけでリスクが高いと評価されてしまう。
これはもう世の中の流れとして、しばらく続くんじゃないかと。

もちろん緊急事態宣言が解除されたからって、
いきなり観光客が戻ってくるわけではなく。
箱根もしばらくガラガラだと思います。
逆にそれを狙って、今なら空いてるだろうと来る人もいるでしょう。

でも徐々に観光客が戻ってきたときに
「箱根行ってきたけど、思ってたより混んでた」と。
SNSとかで簡単にあげれちゃいますし。
マスコミとかも得意の切り抜きで、
「バスの乗車待ちで列を為す人たち」みたいな画を撮って。
そういうのを見て、リスクが高いと評価されてしまう。


そしてもう1つ。
旅行に求めるものも変わってくると思うんですね。

今までみたいな
「多少混んでても人気スポットの写真をアップしたい」ではなくて。

今みんな緊急事態宣言とか自粛とかステイホームとか、
もう本当にすごい我慢をして、息苦しい生活をしているわけじゃないですか。
で、「旅行はひかえめにしてください」って言われている中で、
さすがにちょっと息抜きに、旅行にでも行こうかと。

そんなときに、人がいっぱいいて混んでそうな人気スポットに行きたいかな、と。
もちろん、実際に行ってみないと混んでるかどうかわからないですよ。
ただ、可能性として。イメージとして。

毎日ほんとうに我慢して、気を使って、
息苦しい生活をもう何ヶ月も送ってきて。
やっとコロナも落ち着いてきたし、
息抜きに、ちょっとだけ旅行行こうかと。

そんなご褒美の旅先がけっこう混んでいて、
乗り物とか飲食店とか結構待たされて、
「ソーシャルディスタンスです、2m開けて並んでください」って。

それもう非日常でもなんでもなくて、毎日やってるよ、と。
息抜きしにきたはずなのに、息苦しいじゃないかと。
周り人だらけで、気を使いまくりじゃないか、と。

旅行に求められるもの1つは「非日常」なんだけど。
これまでは例えば「絶景」だったりとか、
「歴史ある建築物」だったりとか、
「おいしい食事」だったりとか、
「温泉」だったりとか。
そういうのが「非日常」として求められて、
それを提供することで観光業って成り立っていたんだけども。

今みんなの「日常」の上に
「コロナ」と「自粛」が大きく覆いかぶさっていて。
いまね、この2つと無縁で生活してる人っていないと思うんですよ。
みんなが大なり小なり「コロナ」の影響を受けて、
「自粛」することを意識して生活している。

つまり、いま一番の「非日常」って何かっていうと、
この「コロナ」と「自粛」から解放されること。
それがこれからの旅行に求められる「非日常」であると。

もちろん100%は無理で、
ホテルも旅館も飲食店も観光施設も交通機関も、
もう全力でコロナ対策をしなきゃいけないんだけど。

観光客に求める部分を極力減らす。
「まだ自粛期間中だからしょうがないよね」って部分をできるだけ無くす。
コロナの影響をできるだけ感じないようにさせる。
これがこれからの旅行に求められると思うんですね。


かなり長くなってしまったのでまとめるとですね。

まず緊急事態宣言が解除されても、
去年までと変わらない生活は戻ってきません。
これが大前提ですね。

そして人気の観光地であればあるほど、
これから先の観光復興は大変になります。
なぜなら人が多い場所は避けられてしまうから。

最後に旅行に求められるものが変わってきます。
旅行に求められる「非日常」の中に、
「コロナ」と「自粛」が加わる。

「コロナ」と「自粛」を感じない非日常感。
その演出がこれからの観光に求められてきます。
そういう方向性であと20日ですね、
準備をしていきましょうと。
そういうお話になります。


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