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図書館に行ってきた 26

バートラム・ホテルにて アガサ・クリスティ
珍しくマープルが事件を解決しなかった。そして珍しく「そんな偶然ある?」という目撃の仕方。
でもやっぱりマープルの直感は正しく、好奇心は逞しかった。主人公だけど、今回は登場人物の1人といった感じだった。作品としてはいつも通り面白い。

静おばあちゃんにおまかせ 中山七里
「静おばあちゃんと要介護探偵」を先に読んでいたから、亡くなっていたラストにびっくり。
この作家さんの作品全てを通して相関図が書けるくらい、いろんな作品に同じ人物が登場している。そういうのが楽しくて中山七里作品を読破しまうのかもしれない。でもかなり重いテーマの作品もあるので、私はこのくらい軽いのがいい。

鬼平犯科帳 池波正太郎
これはやっぱりテレビで観た鬼平の方がいい。この短編でよくあんな情緒豊かな鬼平犯科帳が映像化されたなぁ。粂、彦の密偵の顔もお馴染みの俳優の顔が浮かぶ。中村吉右衛門さんは本当にハマり役だったなぁ。怖くて暖かくて懐が深くて。また観たいなぁ。

よって件のごとし 宮部みゆき
三島屋変調百物語の8作目。おちかから富次郎に変わってようやく馴染んできた。私が。
ここに来てゾンビが出てきた。映像化されてたら絶対見ない!
宮部みゆきさんの文章はスルスルと読み進められるし、頭の中に映像が浮かびやすいから本当に怖かった。

トッカン おばけなんてないさ 高殿円
税金。国税の方の徴収の話。シリーズ3作目。
脱税をする方のズル賢さと徴収する方のしぶとさ。
税金を納める余裕のない人の苦しさと徴収しなければならない人の虚しさ。
それだけでも十分物語になるのに、主人公ぐー子の心の成長の細やかなところまで描いてて本当に面白い。

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