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点字つきカレンダー(2)

点字つきカレンダーの続きです。
(1)はこちら↓

今日は、まず点字の数字の書き方について書きます。

点字の数字は、数字本体の前に、「数符」という記号をつけます。
一けたの数字なら2マス、二けたの数字なら3マス使います。

<点字の数字の書き方、こんな感じです。>

カレンダーで、このルール通りに書くと、けっこうなスペースが必要になり、「小型サイズのカレンダー」は無理かも…?
点字には、「小さいサイズの文字」は無いのです。

そこで、カレンダーなど、特殊な状況では、特殊な書き方をすることがあります。

注:以下は、教本などには載っていないのですが、皆さんやっている系のもの、所謂ローカルルールです。

<点字つきカレンダーの日付部分のアップ写真>

点字がわかる方は、「この書き方、普通と違う」と気づかれたでしょう。
では、解説します。

点字で数字の「1」を書く時は、
1マス目に3、4、5、6の点  2マス目に1の点
を書きます。1マス目が「数符」記号、2マス目が数字の本体です。

一方、このカレンダーは、数符は無くて、数字の本体だけが書いてあります。

通常、1の点だけならば、仮名の「あ」という文字なのですが、
点字使用者は、『わざと数符を省略している』と解釈して、
「あ」ではなく「1」と読み替えます。

<左から、通常の「1」、このカレンダーの「1」、通常の「あ」>

更に、祝日であれば、それを表現するために、次のマスに3の点が一つ、書いてあるようです。

<さらに点が1つ多いのは「祝日」の意味のようです>

普通の日と祝日の区別をつけるために、このような書き方をしているのでしょう。
そのまま読めば、「あわ」ですが、そうは読みません。
また、形だけ見ると、仮名の「か」に似ていますが、違います。
「か」は1マスですが、このカレンダーは2マス使っているからです。

<「3の点」は、「わ」ですが…「あわ」とは読まないのです。>

…と、私なりに解釈・解説してみました。
数符の省略は、よく見かける「ローカルルール」ですが、
祝日をあらわすために点を一つ追記するというのは、
あくまでも、このカレンダーでの書き方です。
ご注意ください。

なお、書物などでは、本来のルールには無い点字の書き方をする場合は、
事前に「凡例」を掲載して、解説しておく必要があります

このカレンダーに凡例が無いのは、付けるとぶ厚くなってしまうし、
普段から点字を使っている人にはピンとくる書き方(だと思います)なので、あえて付けていないのでしょう。

by くろうーろん

※こちらは過去にssブログ(2017-01-06 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。