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点字のコタコタ

「メメメ」に続き、「コタコタ」でございます! ナニソレ?

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「教則本には載っていないけど、みんなやっている書き方」。
もちろんコタコタは通称です。

「こ」と「た」は、点字で書くとこんな感じです。

<点字凸面の「こた」。>

「おこた」「こたん」のように、単語の中に使われるのは当然ですが、
「こた」だけでは特に意味はありません。

しかし、「こたこたこたこた…」と、たくさん書いてあるものは、意味があるのです。
といっても、先日の「メメメ」と同じく、文字としての意味は失います。
「装飾」としての「意味」なのです。

<こたこたこた…は、飾りです。>

点字用紙の余白に、「こたこたこた…」と書かれていたら、それは、区切りの意味があります。あるいは、飾りです。
元々は、点字の本のバランスを取るために発案されたものだそうです。

点字が書かれた紙は、その部分が厚くなります。
そのため、改ページが多い書籍(紙の下の方まで点が書かれていない)は、
本の下の方が薄くなって、倒れやすくなり、収納に不便です。
そこで、下に「こたこた」を書いて、上と同じ厚さにしたらしい。

<下も厚くすれば倒れにくくなる、という発想。>

コタコタは、点字が圧迫されてつぶれてしまうのも防ぐので、
点字図書館等では「保護点」と呼んでいるようです。
確かに…コタコタよりも格好いい言い方…。

ところで、「こたこた」にはバリエーションがあるようで。
私が見たことがあるのは、「コフタコフタ」と「コターコター」です。
もちろん「タコタコ」もアリですね。まあ、結果、同じかもですが。

<コタコタのバリエーション。>

何となく…、コタコタは、書籍(墨字の)の所々に描かれている、
アラベスク模様とか花模様みたい…と思うのは、ひいき目でしょうか。

でも、区切りや厚さ調整の為だけなのであれば、
1と3の点や2と5の点で線を引いたり、
メメメメメ…と書けば、それで済む筈です。
バリエーションまであるのは、やはり、ちょっとした遊び心だと思うのです。

by くろうーろん

※こちらは過去にssブログ(2014-12-18 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。