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介護職員の「生産性」という言葉に違和感を感じる今日この頃。

今、介護職員の生産性に関わる調査や実務に少しずつ関わらせてもらってます。

いわゆる、生産性ってサービス産生に要するマンパワー要因。この視点って経営者には大切ですけど、現場にはどうも削ぐわないなと感じていました。
介護ロボットを入れるときも、この生産性の視点しかないのが現状です。きっと国も介護人材不足に対しては、この観点しかないでしょう。

しかし、本当にそれで良いのかな?と思います。
仮に、生産性を限りなく向上させて、効率化が図れたとします。これで、誰が幸せになっているのでしょうか?

「本当に現場ですか?」

この誰が幸せになるかという視点が抜けていると、その時は、成果(コスパ向上)が出ても長期的に見るとマイナスだと思います。

コスパの向上で100万円削減できたとしても、人材採用コスト、人材派遣コストを考えるとマイナスです。

つまり、穴が空いているバケツだとすると、しっかりと底を塞ぐ作業を怠ってはいけません。

そして、なぜ人は働くのでしょうか?


現在、文献調査をしたり、10名に及ぶ介護職員のインタビューをさせてもらっています。

介護職員がやりがいを感じるシチュエーションで多く挙がるのが、利用者から「ありがとう」と言われた時ということです。

これは何を意味していると思いますか?

僕は2つの要素に分けることができると思っています。

・介護職員が利用者に対して、何かしら介入したことで得られた成果
自分の努力が結果につながったという成功体験。
つまりは、自己実現に近い欲求です。

・誰かから認められるという感覚
「ありがとう」と言われることで、自分も人の役に立ててると思える感覚。
承認欲求に近いのではないかと思います。

どちらも相互に絡み合っていて、相反する事象ではないと思っています。

この2つのことから、僕が考えることは、

人は働くを通して、「生きる意味」を求めているのではないかとということです。

実際、介護職員が「なぜ今の職場を選んだのか」という質問に対しては、賃金よりも、自己実現的な内容が上位に挙がってきます。

一方で、給料が少ないという声も多くのも事実です。入職する時に、事前に募集要項をみているので、給料の把握はしていると思います。しかしながら、こういった声が聞かれます。

答えは簡単だと思います。

給料と仕事内容を天秤にかけているだけです。

仕事内容がきつかったり、やりがいが見出せないと、相対的に給料が低く感じてしまいます。

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介護職員に関しての生産性とは、上の写真の分母の不安要素を軽減させつつ、分子の主体的な仕事(達成感)を向上させるかが重要になると感じています。

経営層が考える、生産性向上とは全く違う要素であることを認識しないといけません。

この生産性に取り組む過程で、きっと介護職員の仕事へのエンゲージメントは高まってきます。それが離職率の軽減に繋がります。

現在の、介護テクノロジーの文脈では、上の写真でいう、分子の要素がごっそり抜け落ちています。ここが僕の違和感です。

とはいえ、この介護職員における生産性向上だけではなく、経営者が考える生産性向上の視点も非常に大切です。

なので、介護職員における生産性向上と会社の財務状況との関係性を明らかにすることができたらと思っている今日この頃です。

これが良い結果で明らかになれば、経営者も介護テクノロジーのメーカーも、介護職員の主体性を無視することはできません。

「経営者・介護職員・介護テクノロジーメーカー」の3方良しにならなければ、継続性はないでしょう!
一番抜けていると思う、介護職員の「wellbeing」になんとか入り込んでいきたい。

まあ、ぼちぼちやっていきましょ〜〜う。

それでは!またね!

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