チーズ -発酵の基本知識-(59)
日本でのチーズのはじまり
平安時代に税金の代わりに納められていた「蘇」が日本での最初のチーズといわれています。その後、江戸時代に西洋の文化が入り持ち込まれましたが、当時は牛乳をまだ利用する文化が確立されておらず、明治維新の頃まであまり普及しませんでした。
対象4年に北海道で生産されるようになり、その後日本では普及をするようになりました。
チーズの種類
加熱か非加熱かの違いで分類されます。
加熱処理をしたチーズは一般的に「プロセスチーズ」と分類され、昔からもっともポピュラーなチーズとして利用されています。
非加熱のチーズは「ナチュラルチーズ」として分類され、さらに固さによっても分類されます。
熟成の方法によって質感や食味が異なり、それぞれの作られる場所の原料や風土によって用いられる微生物も変わります。
軟質チーズ(水分50%以上)
非熟成(フレッシュ)
カッテージチーズ、クリームチーズ、モッツァレラチーズなど。
熟成
(細菌)ボン、レヴェック、リンバーガー、マンスティールなど。
(白カビ)カマンベール、ブリーなど
(ヤギの乳のチーズ)ヴァラセンなど
半硬質チーズ(水分40~50%)
細菌熟成 チルジット、ミュンスター、ブリックなど
青カビ熟成 ロックフォール、ブリュー、ゴルゴンゾーラ、スティルトンなど
硬質チーズ(水分25~40%)
乳酸発酵 ゴーダ、エダム、チェダーなど
プロビオン酸発酵 エメンタール、グリュイエールなど
超硬質チーズ(水分20%以下)
細菌熟成 パルメザン、ロマノなど
チーズの栄養成分
ナチュラルチーズはチーズの種類によってさまざまで一概に言えない部分がありますので、プロセスチーズでの栄養成分とします。
100gあたりの、炭水化物が3.7gと少なめで、脂肪分は31.8g、タンパク質は18.1gと多く含んでいます。
栄養素としては、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、ビタミンC以外のアミノ酸類などを含んでいます。全体的にバランスが良く、ビタミンCを含む食品と一緒に取ることで総合的なバランスがさらに向上します。
ナチュラルチーズの製造工程
生乳を加熱殺菌します。
このときの温度は、62~65℃で30分間殺菌する低温長時間殺菌もしくは、72~75℃で15秒間殺菌する、高温短時間殺菌のどちらかを行います。
その後、30℃に冷却し、凝乳酵素のレンネットと乳酸菌を添加します。
原料の乳に対しておよそ0.003%のレンネット酵素を目安に加えます。
レンネットを添加し、30分程で凝固します。
その後カッティングします。カッティング後に撹拌しながら、加熱することでホエーとカードが分離されます。
この後にチーズの種類によって、カビが添加されます。
ホエーと分離したカードを型に詰め、形成します。
その後、チーズの種類によっては食塩を添加し、熟成させます。
十分熟成が完了したらナチュラルチーズとして流通させます。
原料の乳の種類
チーズは様々な乳から生産され、原料の乳は主に、牛、山羊、羊、水牛、トナカイ、ロバ、ラクダと様々でその土地と酪農の繁栄によって違いがあります。
日本ではほぼ牛の乳がチーズ作りに使われます。
自宅で簡単に作れるインスタントチーズ
自宅で手軽にフレッシュチーズを作る方法として、製造工程の途中で乳を凝固させる際に用いられるレンネット酵素は、一般流通があまりされていないため、代用品としてレモンや酢などの酸が用いられることがしばしばあります。
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