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お前はいったい何なんだ

野良猫

日本にいても、海外にいっても、
道端で動物に遭遇すると、なぜかテンションが上がる。

日本の道端で多く見かける動物といえば、猫!

家で飼われた猫も可愛いが、
個人的には野良猫のほうが好きだ。

野良猫はずうすうしい。

そこら辺の道路を「我が道」のように、生意気な顔をして歩いている。

そして、人間を見つけると、ちょっと様子をうかがう。

やつらは、気がついているのだ。

「自分が可愛い」ということに。

持ち味の「可愛さ」をつかって、ニンゲンからおこぼれを貰おうとする。

今住んでいる家の周辺にも、野良猫がいる。


ヤツが逃げも隠れもせず、まっすぐ家に向かってきたときは驚いた。

秋に干し柿をつくろうと、柿の実を干しているときは、
「俺にもよこせと」みゃーみゃー鳴きながら近づいてきたりもした。

野良猫の強かさには、感服する。

バリ島の犬

先月末は、バリ島へ行ってきたが、残念ながら、バリ島には野良猫はあまりいなかった。

その代わり、野良犬がたくさんいた。

なかには、放し飼いの犬も混じっていたかもしれないが、
首輪を付けていない犬が、そこかしこにいた。

やっぱり、海外でもニンゲン以外の動物がいると、ちょっとテンションが上がる。

しかし、バリ島の野良犬は狂犬病にかかっている可能性があるので、下手に近づけない。

犬を刺激しないように、気を付けながら道を歩いていたが、
私たちが滞在していたウブドという街にいる犬は、意外とおとなしかった。

よく見ると、毛並みがフワフワしていて、ほどよく肥えている。

お店でご飯を食べていると、肥えた犬がそばに座って、ご飯をせがんできたことがあった。

また、バリ島では毎日お参りをするのだが、ヤシの葉やお花、バナナの葉っぱ等をもちいたお供え物をする。

お参りをする人

よく、道ばたにこれらの供え物が置かれていたのだが、犬がお供え物を食べていた。

このように、都心ではさまざまな「おこぼれ」がもらえるので、
犬が肥えていられるのだろう。

一方で、田舎のほうに行くほど、ボサボサでうなだれた犬が増えてくる。

ご飯が少ないのだろうか。
車の窓越しに、エサを探して草むらをうろつく犬を見た。

バリ島の犬といっても、地域によって様子がちがうらしい。

バリ島のサル

また、バリ島で出会ったのは犬だけではない。

宿の近くには、「モンキーフォレスト」といって、200匹を超える野生のサルが保護されている森があった。

バリ島のサルだと!?

サルを一目見たいと思い、私たちはモンキーフォレストに行った。

日本でも、一度サル園にいったことがあるのだが、餌のせびり方が厳つかったこともあり、少し警戒していた。

しかし、モンキーフォレストのサルは、比較的穏やかだった。

入り口付近で立ち止まっていると、様子を伺いながら、数匹のサルが近づいてきた。

日本のサル園のサルみたいに、怖い顔でエサをせびってこない。

様子をうかがうサル

師匠によると、サルはバリ島ヒンドゥー教において、
猿王ハヌマンの配下とされ、神聖な動物と考えられているらしい。

サルなりに、自分たちが保護対象になっていることを分かっているのだろうか?

だから、穏やかでいられるのかな。

ただ、師匠がサルに話しかけると、サルがちょっかいを出してきた。

と思ったら、他のサルが、通りすがりの観光客の鞄にジャンプしていた。

やっぱりサルだな。

サルらしい「いらずら」はするみたいだ。


バリ島でサルに出逢えると思わなかったので、少し嬉しかった。

バリ島のウシ

実は、もう一種、バリ島で動物にあった。
それは牛だ。

バリ島の田舎を車で走っている最中、道中に茶色い牛がいた。

やっぱり、道中で動物を見ると、嬉しい。

草地や畑のような場所に、何頭かの牛が放し飼いされていた。

バリ島のウシ

牛と聞くと、白と黒の模様の牛が思い浮かぶが、バリ島の牛は茶色い。

ウシは田んぼを耕すときにも重宝されるらしく、バリ島の田舎には、ウシがふつうにいる。

ウシたちは、のんびり草をたべていたり、座って休んでいたりした。

日本では牧場に行かない限り、なかなかウシに出会えないので、
バリ島でウシを見れて嬉しかった。

ところで、お前は何なんだ

このように、バリ島でも、さまざまな動物を見れて楽しかった。

日本の野良猫も、バリ島の犬もサルもウシも、それぞれの生存戦略で生きている。

しかし、私は日本に帰ってきて、再び"ヤツら"に会って、不思議な気分になった。

"ヤツら"とは、ニホンカモシカだ。

呼んだ?

帰国してから数日後、ニホンカモシカが家にやってきてくれた。

久しぶりの再会をしたワケだが、やっぱり彼らは不思議な動物だ。

相変わらず、こちらの様子をじっと伺ってくるのに、なつかない。

彼らは野生動物なので、家畜でもペットでもない。
そして、エサをせびることもない。

日本の野良猫も、バリ島の犬もサルもウシだって、それなりにヒトに近づいてくるのに。

なんで、ニホンカモシカは媚びないんだろう??

まず、ニホンカモシカは草食動物だ。

ただ、彼らは実に多様な植物を口にする。

家にくるニホンカモシカたちは、主に、地面から生える若芽を好んで食べているようだが、

他にも庭木や、ウコンの葉、渋柿といったものも口にしていた。

選定した木の花を食べるニホンカモシカ

調べてみると、ニホンカモシカは口に届くものなら、何でも口にするらしい。

だから、ニホンカモシカが食べない植物を探すほうが大変だとか。

おそらく、好奇心が強いのだろう。

母親のニホンカモシカにつられて、ニホンカモシカの子供が渋柿を食べているところを目撃したことがある。

食べたことがなくても、挑戦してみる。

そんなチャレンジ精神を、彼らから感じる。

渋柿を食べるニホンカモシカたち

だから、ニホンカモシカは自然豊かな場所に住んでいるかぎり、食いばっくれがないのかもしれない。

とはいえ、近年、ニホンカモシカは人里に降りてきている。
そして、勝手に畑の作物を食べて、勝手に帰って行く。

見つかると、さっさと逃げるかと思いきや、
こちらをじいっと見てくる。

攻撃はしてこないから、怒りきれない。

何なんだろう、この生き物…

来てくれると嬉しいけど、
話しかけても無視してくる。

こんな変わった生き物が、氷河期から日本列島に生息しているのが不思議だ。

やっぱり、ニホンカモシカは面白い。

少なくとも、飽き性の私が惹きつけられている。

引き続き、ニホンカモシカを題材にした作品を作り続けていきたいと思う。

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