補足 合気上げを練習する時に試して欲しい方法、あれこれ
前回、円の動きの例として合気上げの話を書きましたが、合気上げ一つでもいろいろな稽古ができます。そこで、3つくらい並べてみます。
・円の動きを中心に使う
前回書いた、相手の力を円周に受けながら、前に出てゆく動きです。
前から押さえられる力と、体幹で作る前上方向への力が、手のひらあたりですれ違うようにし、生じる円に合わせて肩、肘を落とします。
ただ円の動きをするだけだと手が回るだけなので、体幹の動きで円そのものを押し上げてゆくようにします。
円をどこにイメージすると良いかは人によって違うようです。
・押さえられている場所を動かさずに、腕の下側だけを押し出してゆく
・相手の力を引き込みながら、体幹で腕全体を上げてゆく
など、色々ありますね。
・橈骨と尺骨を使う
前腕には、橈骨と尺骨という二本の骨があります。親指側にあるのが橈骨、小指側が尺骨。この二本の骨が、平行になったり、交差したりすることで、手首を捻っているわけです。
腕を曲げるときに使う上腕二頭筋は、橈骨についています。つまり、相手が押さえてくる力を橈骨で支えてしまえば、尺骨は自由に動かせます。
受け手がほんの僅かでも内側や外側、あるいは下に動かすことができれば、力点を受け手が押さえているポイントからずらせるので、内、外から上げてゆきます。
・皮膚、筋肉の動きで騙す
ちょっと、自分の腕を握って、握られた方の手首や指を動かしてみてください。皮膚や筋肉が前後に動くのがわかりますね。動いているのは、せいぜい数ミリていど。それでも動きのポイントをずらしたり、相手に錯覚を起こさせるのに使えます。
例えば、手首の甲側を上から押さえられている場合(合気上げの状況)。
押さえている人は、位置感覚だけでなく皮膚の動きの感覚も使って、動きを読んでいます。
そこで腕を前に出す動作と同時に手首をそらし指を伸ばすと、手首の皮膚が少し動き、腕の動きをカムフラージュします。押さえ手にとっては、わずかながら動きが小さいように感じられ、その錯覚分は上げやすくなります。
今回はちょっと、トリビアっぽい話でしたね。
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