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「身体は固かったけど、反射神経は良かった」という思い出話から考えてみた

もしかしたら「身体が固い方が反射神経が良い」のかもしれない。

そう考えたきっかけは、数人の患者さんが、同じ思い出話をされたこと。
「私、子供の頃から身体が固かったんだけど、反射神経は良かったわ~」

「身体が固い」と、「反射神経が良い」。
無関係に見えるこの2つには、実は関係があるのではないか? 
ありえない、とも言い切れないのです。

・手抜きする脳

私達の身体には、数千を超える筋肉があると言われています。脳はそれらのすべてをコントロールしているわけですから、大変ですよね。

そこで脳は、負担を減らすために手抜きをします。
動かす筋肉の数を減らして、負担を少なくしているのです。

身近な例でいえば、パソコンで文書を作成するとき。
大抵の人は、目と、手首、指を動かすだけで、背中や肩の筋肉はあまり動かしません。
ON-OFFを切り替えるのでなく、ON(緊張)のまま固めることで、コントロールの手間を省いているのです(ちなみに、この緊張が抜けなくなったのが肩こり)。

・固い人の運動

運動時を考えます。
身体が固いということは、背中や肩の筋肉を固めて、コントロールを省略しているということ。また、ぐにゃぐにゃしたものを運ぶよりも、固いものを運ぶ方が、微妙な調整がいりません。

使う筋肉の数が少なくなれば、脳の仕事は少なくなります。それで、反応までの時間を短縮することができるのではないか…。

まあ、そんなふうに考えることもできるわけです。

・情報が少ないと、動きは荒くなる

ただ、使う筋肉が少ない分、動きは荒いものになるはず。滑らかで精密な運動には微妙な調整が必要だからです。
ムダな力が入ることも多いので、あまり上手な動作にはならなかった可能性が高いです。身体の負担も大きいのでケガにつながる恐れも。

では、早くて精密な運動をするアスリートの脳は、どうやって身体をコントロールしているのでしょうか?

という話は次回に。

八起堂治療院ホームページ


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