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仙人の修行・小周天を、現代医学の視点で見直すとどうなるか?
私が小学生の頃、世はオカルト全盛。
UFO、UMA、幽霊に、超能力。「水曜スペシャル」や「あなたの知らない世界」なども手伝って、この手の本がたくさん出ていました。
・君は仙人になれるか
当時、人気だった本の一つが「超能力 仙道入門」(学研のムーブックス)
文字通り、仙人になる方法の本です。「気を集めて練ると、超能力を持つ仙人になれる」という内容は、当時の小中学生に大ウケでした。
なんで今そんなのを思い出したかというと、そこに書かれていた小周天という修行法が、最近考えている問題と関わっているからです。
・小周天とは
仙人になる修行の第一歩は、気を集めて全身に巡らせることで、その方法が小周天。具体的には、臍の下にある丹田という場所に気を集め、それを散らさないように意識しながら
丹田⇒ 会陰(肛門の前)⇒ 命門(腰)⇒(中略)⇒ 膻中⇒ 丹田
と、縦に身体を一周させます。重要なツボで気の塊を止めて、温養するのがポイントだったと記憶しています。この修業は初歩ですが、全身の調子が良くなり、病気も治る効果があるとしていました。
・脊椎の筋肉と老化には関係がある?
最近患者さんを見ていて気になるのは、体幹部の筋肉、なかでも脊椎周りの筋肉の状態です。
私たちは、年令を重ねるにつれて体幹部を使うことが減ってきます。そのため、ある程度以上の年齢の方では、体幹部が固く、あまり動かなくなっている人が多いようですね。
筋肉が固いことの影響は、単に動きにくいだけではありません。
緊張している筋肉が多いと、自律神経がどうしても交感神経優位になります。ストレスがかかっているのと同じ状態ですね。
交感神経優位の状態では、血圧、血糖値が上がりやすく、呼吸は浅く、消化器の働きは悪く、睡眠状態が悪くなります。
この状態、何かに似ていませんか?
そう、一般に老化現象と言われるものです。
もしかしたら、老化と言われる現象のうち、何割かは体幹部の緊張による、治療可能な症状ではないかと考えているのです。
・体幹の筋肉を意識して動かす訓練?
体幹の筋肉を緩める方法については、以前書いたことがあります。
(背中や腰を柔らかくするには、力を抜く練習が効く)
この記事で書いていた、固い部分を意識する方法と、小周天の要所要所で気を留める方法が、似ているのです。
確か、仙道入門の本には「気が振動するように動くのを感じる」と書いてあったと記憶しています(もう40年も前の話なので定かではない)。
これが、筋肉の動きだったとすると、身体の固い部分に意識を集中し続けることで、固くなった筋肉を動かしていた可能性があります。
とくに、小周天で問題になる脊椎の周りは、もっとも動かしにくいところ。
動かすことで緊張を取れば健康効果はありそうです。
不老長寿はともかくとして、交感神経優位の状態で起こる諸症状が改善すれば、寿命を延ばせるかもしれません。
小周天の方法自体は、決して楽ではないので、関節リリース・筋膜リリースの延長として、このあたりの筋肉を緩める方法を研究しようと思っているのです。
八起堂治療院ホームページ https://www.hakkidou.jp/
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