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自分の中に基準を持つと上達が速くなる

幼稚園から小学校低学年にかけて、習字に通っていましたが、字が綺麗だと言われたことはありません。というか、悪筆です。

三人兄弟のうち、習字に通っていた私と兄が、ひどい悪筆。
通わなかった弟が、いちばん字がキレイ。
…なんでやねん。

・私事ですが…

仕事で、関節リリースという手技療法を行っています。
人に技術指導を行うことがあるのですが、教える時にいきなり
「こういうときは、こうやるんです」
という指導はしません。具体的な方法から教えると、手の持ち方とか、動かす速さとか、意味のない外見だけが似てしまうからです。
教えるべきは、理論と感覚。

関節リリースは関節まわりの組織の貼り付きをとって、痛みや動きにくさを軽減する技術なので、まず関節の構造を説明してリリースが何を目指しているかを教えます。
次に教えるのは、貼り付きがある場所の感覚と、貼り付きが取れたときの感覚(もちろん、短期間で覚えるのは難しいのですが)。

大事なのは感覚。試行錯誤する上での基準になるからです。

例えば、膝が痛い方を施術するとします。
貼り付きの感覚がわかる人は、どこに力をかけるべきか、自分で判断できます。取れたときの感覚がわかれば、いま自分が行った施術が有効だったかどうかがわかります。
そのたびに修正すれば、最後は自然に正解にたどり着くのです。

逆に言うと、理論と感覚さえわかるようになってもらえれば、操作の手順はそれほど重要ではありません。
むしろ、どうでもいい。

・基準があれば成長できる

これは他の技術や習い事でも同じです。
成長に必要なのはフィードバックです。試行して、その結果の良し悪しを判断し、修正して試行を繰り返すこと。

もし他人に判断を任せたままなら、文字通り手探りを繰り返して、
「これでいいですか?」
と、一回一回先生に尋ねなければなりません。

それに引き換え、自分でやったことをその場で
「これじゃない」
と言えるなら、フィードバックの回数は桁違いに多くなります。

基準を、自分の中に取り込むこと。それさえできれば、あとはどんどん成長できます。

・基準のある練習

「行く水に 数かくよりもはかなきは 師匠まかせに打ち下ろす太刀」
(古今和歌集の歌をもじった道歌。古今の元歌は下の句が「思はぬ人を思ふなりけり」です)。

考えてみればあの頃、習字に行っても、直されたところをただなぞっているだけでした。字全体の形を考えることもなく、形をなぞるだけ。これでは、上達のしようがありません。

まずは1つか2つでいいので、自分の中に基準を持つこと。そして、フィードバックしながら練習を繰り返すこと。
練習する人はそれを目指すべきですし、それを指し示してやるのが師匠の仕事。
素直とか努力とかも大事ですが、まずはその道の価値観、基準を知ることが大事だと思います。

八起堂治療院ホームページ https://www.hakkidou.jp/


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