静岡県賀茂郡松崎町_富士見彫刻ライン285

スクラップ命令が出た

編集長になって5年も経つのに、一向に技術が向上しない部下(わたし)に業を煮やしたのか、酒井さんからスクラップ命令が出た。去年の暮のことです。

「俺は気づいたのだ。編集部からカッターの音がしなくなったことに。ルーツマガジンの北川さんも、吉川くん(本誌のデザイナーです)も、しょっちゅう雑誌を切っていた」

と、酒井さんはことさら真剣にうなずき、月に2冊雑誌を購入してスクラップし、提出するようにとのこと。

私は雑誌も単行本と同じように「最初から最後まで順番に読む」癖があって、雑誌を読む作法と違うんじゃないかと、気にしてはいました。もしかして、スクラップするのが、雑誌とお近づきになれる正統派のアプローチなのでは?

と思った私は、さっそくスクラップに興味津々で開始した。しかし、いざ切るとなると、抵抗があって、結局全部読んでしまう。広告ページはどうしたらよいのか。読むべきか。タイアップ記事でも、技術的にうまい文章もあったりして、読んでしまう。

好きなページから拾い読みしていい。パラパラめくって、目に留まる記事を読めばいい、などのアドバイスをもらったのに、なかなか難しい。

なのでスクラップをしている人はどうやってるんだろうと、気になったので調べてみると、みうらじゅんが筋金入りのスクラッパーだった。ほぼ日手帳の記事で、みうらじゅん流のスクラップ方法が楽しかったので参考にしたり。

周りの編集者にも聞いてみた。

長年風俗誌の編集を生業にしていた、隣の席の山Pは「僕はスクラップやったことないですね。最初から(雑誌編集を)仕事にしようと思ってやってたんでしょうね。周りにやってる人もいましたけど、そういう人は職業的な雑誌編集をやってないことが多かったですよ」といたってクール。

う~ん、でもこれでいきなりラフ切るのがうまくなったり、レイアウトの指示が的確にできるようになるわけじゃないよなぁ。実務の役に立つというより、雑誌特有のワクワク感を出すためとか、つくりたい誌面のイメージや、方向性を探るためにやるのかな。

編集部に遊びに来てくれた、本誌のレギュラーページで毎度お世話になっているポンチハンターこと久世さんにも聞いてみた。「もちろんやってます!」とハイテンション&ハイボイスで答えてくれた。

雑誌の読み方を聞くと、「昔は一文字一文字全部読んでいた、とのこと。今はもうそれじゃ追いつかないから、読みたいところだけピックアップしますけどね~」という話。相当なヘビーユーザーのようだ。

ちなみに八画文化会館は、頭らか後ろまで順番に読んで欲しいと思って作っている。広告を入れていない以上、無駄なページは1ページもないのだ。もしくは全ページ無駄(利便性とか有益な情報とかはないよ)なので、そこには読む、読まないという差はない。

あっ、だから誌面がギチギチになっちゃうのか。

本当は雑誌のワクワク感と、単行本のとっておきたくなる感じや隅から隅まで読みたくなる感じ、を併せ持つような誌面を目指してるのですが、毎度苦労してます。

というわけで、スクラップ効果が出てくるまでしばらく続けてみます。

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