見出し画像

印鑑に振り回された日


今日は午前中に、郵便局に行ってきた。

子供2人分のゆうちょ銀行預金口座のお金を、別の銀行口座に移動するためだ。

銀行とか役所とか、そういうちょっと堅い場所に用事があるときはいつも緊張する。私はうっかり八兵衛も真っ青のうっかり人間なので、だいたい何か不備があったりして、せっかく行っても目的を遂行することが出来なかったりするのだ。

出かける前に、2人分の預金通帳、印鑑、その他必要と思われる書類などを何度も確認した。

通帳見るだけで緊張する

家から最寄りの郵便局は、こじんまりとしていて駐車場が1台分しかなくてほとんど停められないし、稀に空いていても変な角度で車庫入れしなければならなくて面倒くさい。

天気もいいし、1km弱なので歩いて行くことにした。11℃という気温のわりに暖かく、太陽って偉大だなぁ…と壮大な宇宙に想いを馳せて感謝しながらぷらぷらと歩いた。

郵便局に着いて用件を伝えると、窓口のお姉さんが親切に書類の書き方を教えてくれた。
不備がないように何度も確認しながら2人分の書類を記入し、印鑑を押して窓口へ持って行った。

待ち合いのソファーに座って名前を呼ばれるまで待った。モニターで流れていた、郵便局のCMに出ている芸人さんの名前が思い出せず、しかし「ググったら負けだ」と謎に意地を張って脳細胞を活性化させようとしているところで名前が呼ばれた。芸人さんの名前は思い出せずじまいだ。

このメガネの人誰だっけ…


窓口へ行くと、お姉さんは少し困った顔をしていた。「〇〇(次男)様の分はお手続きが完了いたしましたが、〇〇(長男)様のご印鑑が違っているようでして…別の印鑑お持ちでしょうか?」とのことだった。

私の心の声(やっぱりな)

やっぱりな。
私のようなうっかり者が、2人分の用事を1発で済ませられるわけがないんだ。想定内。
想定内ではあるけれど、めちゃくちゃ悔しかった。

なぜなら、出かける前の持ち物確認のときに一瞬ちょっとだけ頭に浮かんだんだよ。
(もしかしたら印鑑が間違ってるかもしれないよな…あの紺色のケースの印鑑も持って行った方がいいかな…)

ってね、一瞬頭の中に浮かんだの。
それなのに楽観主義な自分がしゃしゃり出てきて、(まぁ大丈夫っしょこれで!いけるいける!合ってる合ってる!)みたいな感じで強引に言うからさ、負けちゃって。負けてんじゃないよねまったく。

あのとき、楽観主義の自分が勝ったせいで、もう一度家に戻る羽目になった。

窓口のお姉さんには「アイルビーバック」と親指を立てて郵便局を出た。外は相変わらずいい天気で、早歩きしているせいか暑くなってきたのでモコモコした厚い上着を脱いだ。静電気がパチパチっとして、イラッとした。静電気ほんと嫌いだわー。


家に戻ると、ちょうど洗濯機が終わった音がした。ベランダに出て大量の洗濯物を干し終えると、やり切った感が気持ち良くてうっかりコーヒーを淹れてチョコレートをつまんでいた。

チョコレート美味しいなぁーの頭の中によぎる、印鑑。

そうだ、オレは印鑑を取りに来たんだ。
忘れていなくて、思い出して偉かった。

印鑑をしまっているケースの中から、紺色のケースの印鑑を取り出しながら、その横にあるちょっとだけ上等な、紫色の印鑑ケースが目に入った。

うーん、私の記憶だとこの紺色のケースの印鑑で間違いないと思うが、念のためこの紫色のケースのやつも持って行こう。紺のケースで間違いないはずだけど、何より自分が信用ならんからな…。

私は2つの印鑑をカバンに入れ、再び郵便局へ向かった。


郵便局に入ると、他のお客さんは誰もいなくて静かだった。窓口へ行って先ほどのお姉さんに会釈し、紺色のケースに入った印鑑を見せた。お姉さんはすぐに書類を出してくれ、さっき押した印鑑の隣に、取ってきた紺色のケースに入っていた印鑑を押した。

他にお客さんがいないせいか、1分も経たずに名前を呼ばれた。

お姉さんは大変申し訳なさそうな顔で言った。
「大変申し訳ないのですが、こちらの印鑑もご登録の印鑑とは違っているようです…」

私こそ、大変申し訳ない気持ちでいっぱいだった。が、すぐに紫色のケースの印鑑を取り出して、「そんなこともあろうかと、もう1本持ってきました!」と元気よく言って失笑させつつ、押印枠に3つ目の印鑑を押した。

半分祈るような気持ちで待った。
これじゃなかったらどれなんだよ…とか何とかブツブツ言っていたかもしれない。我ながらきもい。

また1分ほどで名前を呼ばれた。他にお客さんがいないせいか、窓口のお姉さんが私の名前を呼ぶ声が少し、喜んでいるように聞こえたので(合ってたんだ!)と思った。

「このご印鑑で合っていました!お手続きさせていただきますので、もうしばらくお待ちください」

念のため持ってきた紫色のケースが当たりだった。自分のことを信用せず、念のために持ってきて本当に良かった。念のため、って大事だ。

印鑑みんなどうやって管理してる?
すぐ分からなくなる…



そんなこんなで無事に手続きを終え、再びぷらぷらと散歩しながら帰宅。
充実した午前だったが、お日様を浴びて4kmほど歩いたせいか昼食後は睡魔に襲われガッツリ寝てしまった。

おかげで今元気。

さっき1度ここまで書いた記事が完全に消えてしまって、本当に落ち込んだのにもう1度最初から書き直したぐらい元気。


でもそろそろジンでも飲んで寝まっす。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?