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[0から始めるデザフェス出展]4.売り方と価格・ブースの検討

1.売り方の検討

①試作品と想定客層を見比べる

試作品は完成し、運が良ければ売れるかも、といったレベルにはなりましたが、当初設定したターゲットに実際に購入していただくためのハードルを再度考え直します。
デザフェスの会場では「衝動買い」と「アイキャッチ→出展者と対話→納得して購入」、「目的にあった品目を吟味して購入」等、百貨店や家具店の様な、提案の末に購入される様な流れが多い様に見受けられます。
先の記事でも触れたように、ニッチ層やアート、デザイン、カルチャーに傾倒している(目が肥えてる/世界観がハッキリしている/オタクetc)層は、ハマれば高価格でも購入いただけますが、そうでないマス寄りの方は「何となく良さそう」な雰囲気=信頼を前提、買いやすい価格帯や使いやすい・理解しやすい商品を作り込む必要があります。

※再掲※ 戦えない層を省き、ギリ戦えそう(買ってくれそう)なボリュームゾーンを設定(筆者作成)

実売をを目指すとなると、未経験の私は、尖ったデザインを作ることも、定番商品で競合に勝てる商品を作ることもできない為、「アイキャッチ→出展者と対話→納得して購入」という購入パターンを想定し、下記の様なラインナップを目指していました。

  • 高価格_10,000円~:フラッグシップ(≒店の世界観や品質を表現する/アイキャッチになれば売れなくてよい)

  • 中価格_2,000~4,000円程:主軸商品

  • 低価格_500~1,000円以下:ついで買い

しかし、改めて試作品を並べながら検討した結果、このままでは小ロットで安価なものがごちゃごちゃと並んでしまう見込みしか立ちそうにありませんでした。
以下、あえて後付けのロジックで記載しますが、リアルで言うところの「思い付き」で出た「中価格_2,000~4,000円程:売れ筋商品」の説明を致します。

  • 商品:金継体験キット(仮)

  • 想定価格:2,000円~4,000円以下

  • 現体験①:制作過程を経た上で「もっと説明が分かりやすくて簡単なら良いのに」と不満

  • 現体験②:「一度体験してみたい」というニーズの割に、既存品はおよそ10,000円程価格が高く、材料もあまりがち

  • ターゲット戦略:デザフェスに参加した結果、「自分もやってみたい≒筆者自身」と感じた方へ、気軽な制作体験を提供する。当初の様に女性を中心に、自分用を想定する。

2020年当時は特にコロナ禍でのおうちでの過ごし方が注目されていました。観光体験コンテンツやチケッティングで有名なアソビュー!社が「キット」でコロナ禍でも業績を伸ばしていた様に、市場のニーズは確かにあった様ですが、当時はそこまで把握していませんでした。

コアな改善ポイントや原価については追ってご紹介しますが、既存のキットやHow to動画、記事などを参考にしながら、自作のマニュアルとキットを制作し、初体験の方へテストし、「イケそう」となった経緯です。
また、「キット」は割と売れたのですが、デザフェス会場では体験自体の提供か完成品がほとんどで、競合も少ない様でした。主軸商品ができたので、あとは「高価格_
10,000円~:フラッグシップ」と「低価格_500~1,000円以下:ついで買い」を試作品から商品化していきます。

②あるものを生かして売り場を充実させる

「低価格_500~1,000円以下:ついで買い」については、試作の延長でできた商品の多くが「工数過多(手間がかかる)」であった為、下記の商材はそのままパッケージや値付けだけを課題としながら、状況次第で並べるかどうか判断しようと考えました。

試作品をそのまま商品にする

  • 金継ぎアクセサリー

  • シーグラスアクセサリー

  • 着物のリメイクポーチ

売り方にフィットさせる

  • ショップバックリメイク:「キット化」する

生産する

  • アルコール除菌スプレー:法律のカバーをして作る

品数が多くなって「何の店かわからない」という状況が容易に想定されましたので、売り場作りの際の課題としました。
また、「高価格_10,000円~:フラッグシップ」は、コンセプトや方向性は「お土産品のリメイク:こけしや熊の置物のリペイント」にて作ろうと考えていたのですが、全くデザイン力が無い自分の力ではさすがに限界でしたので、美術・工芸が得意な知人に頼んで2,3個ペイントしてもらいました。

2.売り場とパッケージの検討

①デザフェス会場内の顧客導線と行動

デザフェス会場では数多くのブースが立ち並び、客目線では回るだけで一苦労といったところです。各ブースの個性も様々なので、情報量も多い一方で、多様さの反面、逆に「自分に合わないもの」ばかりだと気づくと、よほど興味のあるブース以外はだんだん購買ではなく「チラ見」程度しかしなくなる上に、通り道の左右にブースがある為、逆側を見て歩くと、なかなか戻ってこちら側を見る、という事はありません。
特に私の想定である「アイキャッチ→出展者と対話→納得して購入」に際しては、目の前のお客様にいかに「見て」→「立ち止まって」→「話をきいて」もらうかが重要です。

②できる範囲で世界観を作る

結論、私の場合は、準備できる什器に合わせて世界観を検討・構築しました。デザフェスでは、パネルやテーブル等の備品の貸し出しも行っていますが、通行人の目線を想定すると、テーブルでは低すぎるし、パネルにはつるすタイプの見栄えのいい商品は足りませんでした。
ただし、都内賃貸暮らしの私には、大仰な什器を買って保管することもできないため、結果、折り畳みでタイヤ付きの「それっぽい」ラックをネットで探し、購入しました。結果、黒色のパイプ椅子も安価で購入し、自身の服も真っ黒にしましました。

実際に出展したブースの様子(筆者作成・撮影)

黒色のブースに合わせて目線が高い場所にメッシュを利用して、キラキラの包装を吊るして動くことで、アイキャッチを高めたり、キットの説明・接客スペースを作るなどして工夫を凝らしたつもりでした。何を売っているのか伝わりが悪いものの、次の出店時は反省を生かして改善しました。
例えば、「リペイントの熊」は一番見て・立ち止まってもらえたため、この後、イベント中に配置を変えた結果、立ち止まっていただく過多が増えました。

売り場をイメージして、キラキラの包装、キットの段ボールなどもなるべく世界観を寄せたつもりだったのですが、商品ラインナップの種類と数同様に、統一しきれなかったのが反省点です。
一方で、「売れた商品」と「少し売れた商品」、「ほぼ売れなかった商品」がハッキリとわかれた為、次回の反省材料としてはかなり有力な情報が得られました。

今後は、可能な範囲で収支表やWBS(実施までのタスク管理表のようなもの)などの掲載も考えています。

ご感想やご要望などをお気軽にいただければ嬉しいです。
ではまた!

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