見出し画像

[0からのデザフェス出展]3.既存商品を研究する(プロトタイプ制作編)

1.既存商品の分析

①商品候補を挙げてみる

多くのデザフェス出展者の場合、既に商品がある方や、商品化手前のアイディアがある方、商品となりそうな制作物がある方、または、販売活動を通してPRしたい意匠(要はイラストや世界観等)や技術等がある場合がほとんどかと思います。私の場合は、そのどれもありませんので「どんなものなら作れそう&売れそうか」を並行して考える必要性をがありました。
絞り込みの方針や、ターゲットの調査に加え、2020年当時はコロナ禍の真っただ中だった為、「ターゲットのおうち時間に刺さりそうなもの」で「なるべくデザインをしなくて済むもの≒既存の意匠やデザインを活用できるもの」という目線で商品候補を絞り込みました。(紆余曲折はありましたが……)
そして、勝手に課したミッションとして、元々私が取り組んでいた「地域のモノを生かす」ことができる商品を中心に探しました。ただし、あまりこだわりすぎないように「イケそうなものは前向きに考えてみる」ことにしました。

具体的な候補(一部)

  • 絞り染め:割りばしと輪ゴムを使った藍染め

  • 金継ぎ食器:欠けた食器の漆と金粉での補修

  • 金継ぎアクセサリー:食器の欠片等で金継ぎし制作するアクセサリー

  • シーグラスアクセサリー:海岸に漂着したガラスで制作するアクセサリー

  • お土産品のリメイク:こけしや熊の置物のリペイント

  • 着物のリメイク:ポーチなど

  • ショップバックリメイク:簡易防水ができるポーチなど

  • アルコール除菌スプレー:こだわり素材や香りを加える

  • Tシャツ制作:シルクスクリーン印刷(もはや関係ない) …etc

候補の商品は、「頑張れば自分でもできそう」なものが大半ですが、品質の向上に取り組んだとしても、既存の商品である以上、「既存の商品や他ブースの商品と比較して、選ばれそうか」が重要です。
消費材メーカー等ではないので、単純な価格競争でなく、1社のみ採用のコンペでもないので、1位になる必要はありません。商品によって戦い方は様々です。デザフェスの様なイベント会場では「良さそう/自分に合いそう/好き!」みたいな軸で購買に繋がる、つまり、衝動買いが期待できます。もちろん「いいお財布があれば買いたい」や「自分に合ったイヤリングが欲しい」といった具体的な購入品目もあるかもしれませんが、「目的の品だけ買えたらすぐ帰る/他の品は見ない」といった方は少数派かと思います。
実際、デザフェスの戦利品をTwitter等で検索してみると、本当に様々なお買い物の様子がありますし、私の商品をご購入いただいた方についても、購買品に規則性を見出すことはできませんでした(サンプルが少ないことも一因ですが)。
そういった観点で「自分勝手な勝ち筋」が立てられそうかどうか検討した結果、下記の品目でより深い検討や試作品の製作をすることにしました。

②既存商品の特徴を調べ、課題分析をしてみる

個別の商品候補の内、既存商品の特徴と勝ち筋を考えました。使ったことのない物は買ったり借りたり、各種WEBショップのレビューを見てみて「購買の決め手」を、更に、デザフェスの目の肥えた参加者層を考慮し「買った後の満足度の高・低」を検討した上で、どうすれば「自分勝手な勝ち筋」が立つかを検討しました。

難易度順_勝ち筋と課題感(一部)

  • 難易度:低

    • 勝ち筋:素材を生かし付加価値を加える

    • 課 題:良い素材を無料or低安く仕入れる

    • 制 作:センスを問われる

    • 価 格:品質次第で比較的自由度が高い

    • 商品案:お土産品のリメイク/着物のリメイク/ショップバックリメイク

  • 難易度:中

    • 勝ち筋:素材を生かし付加価値を加える

    • 課 題:良い素材を無料or安く仕入れ、テスト制作を成功させる

    • 制 作:技術・経験を要し、組み合わせのセンスを問われる

    • 価 格:品質次第で比較的自由度が高い

    • 商品案:金継ぎ/金継ぎアクセサリー/シーグラスアクセサリー

  • 難易度:高

    • 勝ち筋:既存ニーズに高い独自性を加える

    • 課 題:良い素材を無料or安く仕入れ、テスト制作を成功させる

    • 制 作:高い独自性や一般流通レベルの品質を問われる

    • 価 格:一定程度の基準(市場価格)内に収める

    • 品質次第で比較的自由度が高い

    • 商品案:アルコール除菌スプレー/Tシャツ制作

2.試作品の制作と選別

①試作品を作ってみる

ごちゃごちゃと調査・検討を重ねてまいりましたが、いよいよ具体的な商品の原型となるものを試作してみます。
試作段階になると、上記の整理と若干乖離してきますが「難易度が低めのもの」に加えて、事前の調査を超えても「できるかも」と感じてしまったものは着手してみました。事前の整理は所詮、経験の無い私の狭い頭の中での空論ですので、あまりこだわりません。ただし、多少でも整理しないと「何からやっていいかわからない→バラバラに着手して収拾がつかなくなる」となりがちなので、無意味ではないのです。
また、つい、販売価格や原価設定等の試算からはじめたくなる方もいると思いますが、小ロット・手作業の場合、「そもそも商品レベルの品質となるかどうか」が分からないため、この段階で一旦、手を動かしてみると良いと思います。
この「試作」と「原価」にかけられる予算は合計してザックリ決めておいた上で、全般を通して「コスパ重視」をしていました。単なる安価の追及だと、品質に難がでる可能性があるからです。

実際に試作した品目(一部)

  • 金継ぎ食器:欠けた食器の漆と金粉での補修

  • 金継ぎアクセサリー:食器の欠片等で金継ぎし制作するアクセサリー

  • シーグラスアクセサリー:海岸に漂着したガラスで制作するアクセサリー

  • お土産品のリメイク:こけしや熊の置物のリペイント

  • 着物のリメイク:ポーチなど

  • ショップバックリメイク:簡易防水ができるポーチなど

  • アルコール除菌スプレー:こだわり素材や香りを加える

  • Tシャツ制作:シルクスクリーン印刷(もはや関係ない)

結構な品数だと思いますが、当然、一気にやったわけではなく、主にネット通販や小売店、実家で余しているもの、安価で投げ売りされているものなど、様々な素材を集め、集まったものから順次やっていくといったスタイルです。商材が少なければもう少し絞った取組みができると思います。

②試作品の選別と検討をしてみる

実際にやってみると、品質では「売れるかもしれない=商品にできる」ものがキッパリわかりました。
品質をクリアした上で「手作りレベルで数が作れること」や「素材が一定数確保できること」、その上で販売価格と原価の検討を行う必要があります。
(商品によっては、製造や販売に認可や免許、商品の表示に注意が要る場合もあります)

品質のみ_売れてもおかしくないもの&課題

  • 金継ぎアクセサリー:工数過多(手間がかかる)&センスが要る

  • シーグラスアクセサリー:工数過多

  • お土産品のリメイク:工数過多

  • アルコール除菌スプレー:法律のカバー要

  • 着物のリメイク:工数過多

品質のみ_売り方の工夫が要るもの

  • 金継ぎ食器:センスが要る&素材の仕入れ

  • Tシャツ制作:センスが要る

品質のみ_売れないもの

  • ショップバックリメイク:簡易防水ができるポーチなど


また、何となく原価に合いそうかどうかは意識していましたが、仕入れ込で詳細に試算することと、販売価格を売り場作り込で考えると、更に検討と調整を重ねることになりました。そのあたりのお話は次回以降の記事にてご紹介したいと思います。

今後は、可能な範囲で収支表やWBS(実施までのタスク管理表のようなもの)などの掲載も考えています。

ご感想やご要望などをお気軽にいただければ嬉しいです。
ではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?