フィクション短編)マスクボクシング
※フィクションです。剣道でマスクしてますからね。このままいけば、そうなるんじゃないかなぁ。不快に感じる方もおられるかもしれませんので、自己責任でどうぞ。
「右ストレート、ワンツー、躱す、あっ、今のアッパー、当たりましたね」
「そうですね、ワンツーでちょっとアゴを上げさせておいたところで、ロングアッパー、これも見えてないですね」
「チャバン選手、非常にうまい」
「3ラウンドで失速するマックス選手、ここは一旦、守りに入る」
「赤のグローブはオールウェイズ•マックス選手、マスクをしております。マスクルールが適応されてから2年、過去の戦績と合わせて11勝3敗1分、次のインターバルでどれだけ呼吸を整えられるかがポイントですね」
「3敗はすべてマスクをしての試合ですね。キャリア的に格上と言っても、なんですがね、ちょっと、このラウンド危ないですよ。」
「対しまして青のグローブは、オナジミーノ・チャバン選手、7勝2敗、マスクはありません」
「今回は検査が通りましたからね、この試合チャンスです、チャバン選手」
「おっと、マスクがズレて、…レフェリーが止める。今のはマスクブローですか?」
「軌道的には大丈夫ですね。チャバン選手も少し熱くなってます。チャンスに攻めたいのはわかりますが」
「レフェリーが引き剥がし、さあ再会!やはり、苦しいかマックス選手、次のゴングまで後30秒、おっ」
「あー、入った」
「チャバン選手のアッパーが!マックス選手のアゴを捕らえ、ダウン!レフェリー、カウントしない!試合終了ーーです!!」
「勝者、青コーナー、オナジミーノ・チャバン選手!」
ワァー!!
「またアッパーでKO。最近はフィニッシュが左フックより、アッパーが多い」
「序盤はポイントで勝っていたマックス選手。今回の敗因は何でしょう?」
「そうですね、先ずチャバン選手、もともと動きに非常にキレがありました。マックス選手については、あのー、アッパーには常に警戒しないと。コンビネーションで狙われてましたからね。まあ、…体調管理が甘かったんですが、無症状だったので試合を受けてくれた、ファンとしては有難いんですが、勝負の世界、非常に厳しいですね」
「感染予防にセコンドを減らすという話がありますが?」
「それはまだ検討中ですが、あり得ますね。ほんと、命が懸かってますからね」
完)マスクボクシング
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