GPT正しくなくていいからさ、僕の話をきいてくれない?【短歌】

弟が人間関係の悩みをchatGPTに相談してた笑。
もともな返答はおそらく帰ってこないだろうに。

かと言って、僕も気軽に重い相談をできる友達を持ってるわけでもないので気持ちはすごく分かるし似たようなことをよくやる。僕の場合はchatGPTじゃなくてyahoo知恵袋とかだけど。

例えば、散歩中に路上喫煙をしてた人がいたとする。僕は生粋のタバコアンチかつ根が正義に厚くできているのでよし注意してやろうと息巻く。路上喫煙野郎との距離を縮めながら虎視眈々とそいつの背格好や目つきなどをなるべく悟られないように目を絶対に合わせないようにして観察する。いくら僕が正義に厚く生まれたからと言ってビビリで小心者の生まれでもあるので、ゴリゴリの喧嘩っぱやそうな奴なんかもっての他で、軽くコツンとやってやれるような相手にしか注意なんぞはしたくないのである。しかし、今の時代に堂々と路上喫煙をする最低野郎(僕の地域では条例で禁止されているので本当に最低野郎)は多くが神経も上腕二頭筋も図太いガテン系であって、大抵はこっちの方で尻尾を巻き仕方なく見逃してやってるのである。

そこで2ちゃんねるまとめとかyahoo知恵袋に洒落込む。とりあえずgoogleで「路上喫煙 カス」とか「路上喫煙 嫌い」とか「路上喫煙 〇〇」(〇〇には否定的なワードが入る)のように検索してなるべく同情してくれそうで同じような愚痴を持った人たちの書き込みを探す。

「酒の害は、基本自分だけだけど、歩きタバコは何も関係ない周りに大迷惑。犯罪だよ。脳が縮んでるから、人に迷惑かけてることすらわからねえんだよな。」みたいな。路上喫煙をしない人間を褒め称える内容が見つかれば尚最高だ。

だけどこういう’’分かってる’’投稿と同じくらいの数で路上喫煙者を擁護したりする、空気の読めない/居酒屋とかでマジレスしちゃう系/女友達にガチアドバイスしちゃう系コメントがあったりして、これには水を差される。そして、それに反証してくれるようなコメントをまた探し始めたりして結局ネットサーフィンが終わらなくなるのだ。

こんな感じで自分のポジションを確立するためにネットで自分に同調してくれそうなコメントを検索したりするのは多くの人が経験したことがあるのではないだろうか。それが何処の誰かも分からないコメントとわかっていても。(きっと大学デビュー前の人間の検索履歴を見れば「19歳 童貞 やばい」「19歳 処女 普通」とかが見つかるだろう。)

多分、弟のようなこれからの世代の人たちは2ちゃんねるまとめとかyahoo知恵袋の代わりにchatGPTに自分のポジションや正当性をヨイショしてもらうのだろう。

今chatGPT ver.4だか5だか知らないけれど結構適当なこと言うんだよな。でもそれでいいのかも知れない。むしろchatGPTに求められてるのは正確な答えではなくて、安い喫茶店でコーヒー1杯で何時間も居座りながら自分の話を聞いてヨイショしてくれる「便利な友達役」なんだろう。僕もそんなのあったら使ってみたいし。

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