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勝手に白果賞 俳句10句


白熊杯に投稿された俳句の中から、特に好きだと思った10句に、勝手に白果賞を贈らせていただきます。

俳句は、私自身は初心者です。
素人なりに、いいなあ、好きだなと感じた句を選びました。

順位はありません。
投稿された順番に発表します。


ハンドクリームハンドクリームや猫あくび
(プッククンさん)

これはもう、可愛らしくて好きです。
ハンドクリームどこ?と探し回る部屋で、猫がのんびりあくびしているのどかな冬の日の情景が浮かびました。

音立てて散る冬菊もまた過客(鮎太さん)

私たち人間も花も、生き物はみな過客。
すっきりと詠まれていて、深いなと思いました。菊が散る音、聞いてみたいです。


初東風や文送りたき恩師ゐて(すうぷさん)

手紙を送りたい恩師がいる。なんて幸せなことだろうと思います。
この出会いは一生の宝ものですね。
何を書くのかなと想像しました。


米よそう母の手なれば湯気の立つ
(つるさん)

お母さんの、生きてきた年月を刻んだ手を想像しました。あたたかな湯気、美味しいごはんの匂い。ささやかな日常がいいなと思いました。


寒月や部屋に命を刻む音
 (チズさん)

体に繋げられた機械が示す、たとえば心電図のピッピっという音。音は命そのものではないけれど、命がここにあることを教えてくれる。
冬の月の夜、しんとした部屋で、その音を聞く人と、音のもとになる人と。向き合う命に思いを馳せました。


小春日や片道だけの乗車券(うみのちえさん)

小春日に片道だけの乗車券を買う。
ふと思い立って旅立つのはなぜ。小春日だから、明るい旅だとよいなと思いました。
きっとひとり旅。軽やかな気持ちになる素敵な句です。


腕太き祖母万物をおでんとす
(はねの あきさん)

これはすごい。祖母は偉大ですね。おでんも偉大。迷いなく、なんでも大きな鍋でおでんになっていて、美味しいこと間違いなしですね。


忘れられし者の気楽さ冬日向
(山口絢子さん)

気楽だと言い切れる達観がいいなと思いました。誰知らず生きても、人生ゆったり構えて、明るい日向を歩いてみたいです。


シャリシャリと音符の見える雪みぞれ
(chiyoさん)

雪みぞれの音が音符、音楽になるのが素敵です。
楽しく踊ってしまいそう。滑らないよう気をつけて。


冬の日の地蔵にふれる夫婦かな
(兄弟航路さん)

しんみり、いいなと思いました。お地蔵様はあたたかいかな、冷たいかな。きっと優しいお顔をされていますね。長く一緒に歩んできたであろう夫婦の仲の良さも想像できました。


以上、10句です。
ありがとうございました。

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