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読書メモ:石川善樹『考え続ける力』

石川善樹さんの「考える続ける力」を読んで自分なりの要点をまとめたノさんのートです。

感想

本書は、著者の石川さんが第一章で創造性を発揮するための考え方について述べ、その後は何人かの方との対談、そして後書きという構成になっています。対談の中は、おそらく読者がどういうことに興味・関心があるかでひっかかる部分が変わってくるように思います。私は濱口秀司さんとの対談が一番関心を惹かれました。
仕事では、遠めの大目標はあるけどそこに向かってどう進んでいけばいいんだろう?という状況に晒されていて、実現したいことや目下眼の前の課題について経営陣と話す一方、開発方向性を定めてチームのエンジニアたちとコミュニケーションをとっていることが日常です。
環境の変化も待ってはくれず、真っ直ぐな道筋で進まないことがほとんどであるので、全体と詳細を行ったり来たりしているところが、大局観を持ってという点にリンクしており、むしろ自分に足りていない点やりすぎている点はないか見直す足がかりになりそうと感じることができました。
また、対談の中での、トレードオフ構造、不確実性の分類、バイアスの発見とブレイクは、そのように考える癖づけという点はぜひ活用していきたいと感じました。

却来(きゃくらい)とThink different

却来とは、ものごと新しくし、その質を高めてから、また古くすること。
本書を通して、それがイノベーションを起こしやすい型であり、Think different の究極であると述べられている。

大局観

論理(ということはこういうこと?)と直感(ちょっと待てよ??):突き詰めれば好き嫌い・感情との間に位置づけられる思考モード。それぞれどのような問題に対して有効に働くかが違う。
大局観は誰もが考えたことのあるような問題を誰も考えたことのないやり方で解決するための考え方。イノベーションを起こすような考え方は、ある問題についてその背景、目的を正しく理解して、全体像と詳細を行き来きした思考をすることが重要である。
すべてを包含するような本質だけに物事を研磨していくような、"Less is more" といった考え方と親和性が高い。
一人で活動しているとき、あるいは2, 3人といった少人数でただ何かしらの場を共有している(〜飲み会で話しているときのような)ときに大局観が働きやすい。
トレードオフ構造を探して、空いている空間(例えば両取りあるいは両捨て)を見つけることで大局観を磨く。

未来

みんな未来を知りたいが予測できない。
未来をどう見据えるか、一義的に定めることはできない。
未来は予測するものではなく、目指すものであり創るものである。

トレードオフ構造

コンセプト〜実行と自由度は、トレードオフ構造になっている。コンセプトから戦略、意思決定、実行へと遷るにあたり、自由度が減るのとは逆にリソースの割当は増加する。

バイアス

ゼロ→イチと言われるが、ゼロから出発しなくてもいい。イチからでもいい。イチはバイアスであり、トレードオフの中間点にある「こうでないといけない」という思い込みや先入観。

不確実性

不確実性は、不確実さで4段階に分けられる。
不確実さから低い方から
1. ほぼ読める未来
2. 分岐で分けられる未来
3. 分岐は見えないけど方向はわかる未来
4. 方向もわからない未来
デシジョンマネージメントは、不確実性を分類する技法。事業で考えるのは 1 ~ 3, 数字で表すことが可能なのは1と 2 であり、これらを扱うことができる。不確実性が 1, 2 である事業に何かイノベーティブなことが持ち込まれると、3 になってしまいデシジョンマネジメントができなくなる。
そのときには、例えば四象限で表現するようにモデル化し、分析の切り口にバイアスを見つけて、それをブレイクする。
アイディア idea とマス (mathematics) は必ず対にする。そうでなければ実現するためのツールが欠けている状態になる。
必ずトレードオフで見る。トレードオフは解消できる。


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