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夫婦仲は、今が一番良い

夫と付き合い始めて15年。
入籍して、今年で12年になります。

お互い、3度目の結婚でした。
今年で夫は52歳、私は47歳になりました。

思えば、これまでお互いが一度も口にしなかったのが…

「あの頃は良かった」

というセリフです。
私が言ったこともありませんし、夫から聞いたこともありません。

なぜか。
「今」が一番良いからです。

52歳になっても変わらぬ美貌…
中年太りの気配もない、引き締まったプロポーション。

腐りたい…
いや、そうではなく。
(夫で腐れる腐女子)

「付き合い始めた頃は、すべてに絶望していた」

と、夫は言います。

15年前、夫は前妻に裏切られ、職場の人間関係も悪く…
すべてにおいて無気力で、死んだ魚のような目をしていました。
当時は毎日のように「仕事に行きたくない」と言っておりました。

何もかも信じられなかった夫は、私のこともなかなか信用してくれませんでした。
警戒心の強い外猫さんのようでした。

ですが私は、どうしても夫のそばに居たかった。
素っ気ない態度を取られても、冷たい言葉を浴びせられても。
これほど自分の好みど真ん中の、元美少年を逃してなるものか!と、本気で思っていました。

3年、籍を入れずに同居しました。
その間、数えきれないほどのケンカをしました。

3年たって入籍した後も、半期に一度くらいは大ゲンカをしておりました。
そしてケンカをするたびに、少しずつ夫のことがわかってきました。

ケンカはたいてい、夫のモラハラ発言から始まります。
まぁ悪口雑言。

ですが、なぜ夫はモラハラ発言をするのか。
そこを考えるようになりました。

見えてきた。
そういう時の夫は、たいてい疲れてストレスがたまっているのです。
それを紛らわせるために、私に八つ当たりをするのだと気が付きました。

ああ、私に甘えているのだな、と思うと、それほど腹も立たなくなりました。

そのことがわかってから、夫のモラハラ発言が始まると、私はそっと逃げることにしました。
行きつけの居酒屋に行き、夫が眠った頃を見計らって帰宅するのです。

たいてい、夫からの謝罪はありません。
ですが時々、夫は言います。

「俺は始が我慢強いから助かってる」

…と。

付き合い始めた当初、私のことをまったく信用していなかった頃からすれば、夫のこの言葉は大躍進です。

そうして15年かけて、少しずつお互いの信頼を高めてきました。

6年前からは、夫と同じ職場で働くようになりました。
同じ職場で仕事をすると、店長として働く夫の苦労がよくわかるようになりました。

私は夫の愚痴を聞き、時には職場の改善策を提案することもあります。
職場の人間関係も、付き合い始めた頃よりは、かなり改善されました。

夫は店長としての責任を負いながら、仕事に対してやりがいを感じているようです。
かつては「仕事行きたくない」「辞めたい」と言っていたのに。

そして、今。
夫とモンハンに興じたり、寺社詣でに行ったり…
おかげさまで、楽しく過ごしています。

去年よりは、今年。
先月よりは、今月。
昨日よりは、今日。

そうして、少しずつ「信頼」を増やしながら、これまでやってきました。
夫は、言います。

「頼むから長生きして。俺は始がおれへんようになったら生きていかれへん」

警戒心強めで、まったく懐かなかった外猫さんは…
時に爪を立てたり、シャーと威嚇したりしながら、ようやくお腹を見せてくれるようになりました。

そんなわけで、夫とは今が一番仲が良いです。


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