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命の限り

死ねないことは、幸せだろうか。
命の時間には限りがある。
多少抗ったところで、大差はない。
今でも、半年後でも。同じ年なら変わらない。

息をしているだけなら、生きていると言わない。
生きている実感があっても、なくても。
それがいつなのか、未来は誰にもわからない。
生きるものに与えられた時間の中にいる。

鬼滅の刃を見ながら、考えてしまった。
鬼舞辻無惨は死なない。どんなに醜くても。
彼が鬼を生み出し続ける限り、憎しみの連鎖は続く。
肉体の苦しみを感じても死なない。
どんなに苦しくても。
何の感情もなく、生き続けている。
時間があっても未来はない。

限られた時間の中で、人のために生きる。
何もかもを飲み込んで誰かのために生きる。
何かの歯車かもしれないけれど。
大きな宇宙の流れの中で、無に近い存在だけど。
たった一回だけ許された、大きなチャンスなのだ。

先にことはわからないから。
大したことのない、たあいのない時間を過ごせる。
いつかは、死ぬ。と思った時から。
人のためにすることが、自分のためになる。
死んでも滅びない何かを残せるのかもしれない。

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