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人のからだは「パン」です

私、趣味はパン作りです。

今まで、食パン、バターロール、フランスパン、シナモンロール、カンパーニュ、フォカッチャなど、数々のパンを作ってきました。



たくさんのパンを作る中で、私が思ったこと…

それは、

「人のからだって、パンなんじゃないか?」

ということ。

…真面目に言っています。

なぜそう思ったのか?

今日は、私が人のからだをなぜパンだと思ったのか、詳しく書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

みなさん、パンを作ったことはありますか?


まず、パンとは?というところから…

パンとは「小麦粉またはライ麦粉に水を加えてこね上げてできる生地を焼いた食品のうち、炭酸ガスを含ませて組織を膨化させたものをいう」と、ブリタニカ国債百科事典には書いてあります。

…小麦粉またはライ麦粉と書いてあるから、人間のからだには当てはまらない…

パンは、小麦粉にドライイーストなどの酵母菌を加えてこね、発酵させた後に焼き上げるもの。

パンによって製法は違うのですが、だいたいは、小麦粉にぬるま湯ドライイースト、塩、砂糖などを加え、こねることによって混ぜ合わせるところから始まります。

混ぜた後、一次発酵という第一段階の発酵をさせ、発酵の後に、発酵で発生した炭酸ガスを抜き、生地を分割して丸め、ベンチタイムという生地を休ませる時間をおき、成形した後、最終発酵をさせるというのが定番の作り方。



ただこねて焼くのではなく、生地に小麦粉を発酵させて、グルテンという網目状の膜を張らせ、酵母菌の呼吸によって発生した炭酸ガスを抜き、生地を分割した後にベンチタイムという生地を休ませる時間を置いて(ベンチタイムを置かないと、生地がきれいに成形できず、ピザのように引き延ばそうとしても、生地の弾力で元の形に戻ろうとする力が働く)、もう一度発酵させ、ふわふわに焼き上げるまでがパン作り。

結構時間がかかります…

天然酵母作りからパン作りを始める


私、一番最初のパン作りから「ドライイースト」という乾燥した、手頃に扱える酵母菌を使わず、「天然酵母」というレーズンを使って、自家製の酵母を作るところから始めたんです。

天然酵母を作るのに約三日をかけ、パンをこねたり、一次発酵、ベンチタイム、二次発酵をさせたり…最初に作ったときから、パンってこんなに時間がかかるものだったのか?と途方に暮れました…

天然酵母も、レーズン、リンゴ、レモン、バナナといろいろ試したのですが、温度が低かったりすると、酵母菌が思ったように成長せず、パンがなかなか発酵しないのですよね…

何度も失敗して、レーズンを白レーズンにしたり、温度管理をしっかりしたりする中で、ふとひらめいたことがありました。

それは、

「パンの発酵は、人のからだにとても似ている」

ということ。

パンにラップをかけることは、人がお布団をかけて寝るのと一緒


パンを発酵させる時にラップをかけるのですが、これは、保温とともに、保湿をし、生地が発酵しやすい環境を作ってあげるため。

パンにラップをかけて発酵させる姿が、私にはお布団をかけて人が寝る姿に感じられたんです。

人は、日中に活動し、夜寝るというサイクルがあると思うのですが、パンにとっての日中は、生地をこねられるようなことで、夜寝ることが発酵するためにラップをかけることのように私には思えたんです。

…ちょっと詳しく説明させていただきますね。

人が活動するのは、パンがこねられ、生地と酵母、水や砂糖、バターなどが混ざり合うことに似ているんです。

人間が活動することは、筋肉を動かすことによって血管をもみ、全身に血流を行き渡らせる働きがあるだけではなく、食べものを通して吸収した様々な栄養素をかき混ぜ、全身をパン生地を作るようにこねる働きに似ているのではないか?と。

また、酵母菌が呼吸することによって発生した炭酸ガス、つまり二酸化炭素ですね、二酸化炭素が血液に溶けることによってからだがふわふわになり、人は、全身に酸素を届けるために呼吸しているのではなく、二酸化炭素を作るために呼吸しているのではないか?と思ったのです。

夜寝る時に人が布団をかけて寝るように、パンもラップをかけて発酵を待つと…



人は、朝起きるとからだがスッキリして体力が回復すると思うのですが、酵母菌のような、からだを発酵させるもの、東洋医学用語では「発酵」ではなく「腐熟」という言葉を使うのですが、腐熟に必要な腸内細菌であったり、からだの中にいる常在菌が弱いと、発酵する力も弱く、朝起きた時に疲れが取れないのではないか?と私には思えたんです。

よく、布団をかけて寝ないと風邪を引くと小さい頃に父、母から言われたのですが、きっと、ラップをかけないでパンを発酵させるようなものなのでしょうね。

発酵には、適温がある


酵母菌は、種類によっても違うのですが、35〜40℃が発酵に適した温度。

温度が一定でないと発酵するのに時間がかかったり、温度が高くなりすぎると酵母菌が死滅してしまったりと、温度変化にとても敏感なのが酵母菌。

人のからだにも常在菌や酵素が存在していて、人間は恒温動物なので、温度変化には酵母菌よりも左右されにくいですが、それでも、からだが冷えていたり、内存する常在菌群がバランスを崩していると、発酵したふかふかのパンのようにはならず、寝て起きた時に疲れが取れないのではないか?と私は考えたのです。

…そこで、人のからだはパンなのではないか?という発想にいたりました。

私の気持ち、みなさんに伝わりましたか?

温度、湿度、常在菌の量と質


最近、腸内フローラなど、腸内の細菌叢というものが注目され、「腸活」という言葉をよく聞くようになってきました。

腸内環境を整えるのに食物繊維がいいとか、ゴボウがいいとか、酪酸菌がどうとか、ここ2〜3年で、腸内の細菌が注目されるようになってきているんです。

目には見えないけれど、からだの中にはパンを発酵させる酵母菌のような生物たちがたくさんいて、私たち「人間」という「個」の存在で生きているのではなく、様々な生物たちが人間という「集合体」、コロニーを形成していることがわかってきています。

酵母菌の働きが弱くて、パンが発酵できないように、腸内細菌がうまく育たず、腐熟できないからだになっている人がいるのではないでしょうか…

からだに存在する常在菌の数が少なかったり、腸内細菌の叢が単調で質がよろしくなかったり…いろいろなパターンがあるかもしれません。

運動不足は、よくこねられていないパン生地みたいな状態


また、デスクワークが中心で、からだを動かすことができないの、こねられていないパンのように粉っぽいところがあったり、水でべちゃべちゃなところがあったりと…混ざっていない生地のような状態になっている人もいるのではないかと…

皮膚の状態からわかること


人のからだって、健康な状態だと、触れると表面に適度な脂が乗っていてしっとりしているんです。

調子が崩れていると、肌ががさがさしていたり、黒いシミがたくさんできたり、表面がぎとぎとに脂が乗っていたり…見た目にも、質感にも、美しさが足りない感じになってしまいます。

パン作りから私が学んだこと


パン作りを通して、布団はラップに、疲れが取れにくいのは常在菌が弱いから、からだを動かさないとパンのように生地がこねられない…そんなことを考えるようになりました。

私からの提案です


疲れが取れにくい方、食べものを見直すというのはいかがでしょうか?腸内細菌を育てましょう。糖質ばかり取らず、自分のからだに合った食生活を見つけましょう。

お布団の厚み、季節の温度に適していますか?汗をかいていないですか?寒すぎませんか?

からだ、動かしていますか?動かしているのは、キーボードを動かす指だけじゃないですか?背中が硬くなっているのは、筋肉を動かさないことによって、栄養がめぐっていないからかもしれませんよ。

もし、自分のからだに何をしたらいいのか迷ったら、パン作りを一度してみてください。できれば、天然酵母から酵母をおこして、パンを作ってみてください。

自分のからだはパンだと思って、どこに問題があるのか、考えてみてください。

…グルテンはからだによくないと思って、何をバカなこと考えているんだ、と思った方。すみません、読んでいただいたのは嬉しいのですが、私はグルテンがからだにどうとか言っているんじゃないんです。人のからだはパンだって言っているんです。

パンを作るようになって、よく言われるようになったこと…


私の施術を受ける方、私がパン作りをはじめてから、「私のからだがパンのようにこねられているように感じました」とよく感想をいただくようになったんです。

それもそのはず、私は人のからだはパンだと思っているから!

めちゃくちゃパンをこねましたもの。こねるのが好きです。

パンをこねることによって、人のからだのこね方も確実に、確実に上達しました。確実に!

水分量が多い場合は、手にまとわりつくような感じ、水分量が少ないと硬くてこねにくい感じ…

いろいろなパンをこねた経験から、台に叩きつけた方がいいのか?、あまりこねないでそのまま放置することによって、自然とグルテン膜を形成させるのがいいか?手早くこねることを繰り返すのがいいのか?など、こね方にもパターンがあることに気づいたんです。

何より、どこまでこねると、おいしいパンになるのかわかったことによって、人のからだも、どれくらいこねこねしたらいいのか、どのタイミングで終えたらいいのか?も、パン作りを通して教えてもらった気がするんです。

私は、人のからだはパンだと思ってこねます。

パンをこねるとき、無心になって我を忘れるのですが、人のからだを診るときも無心になれるんです。

…すみません、パン作りへの情熱がほとばしり過ぎました。

いかがでしたでしょうか?

人のからだと、パンの共通点についてご理解いただけたでしょうか?

ちなみに、私が一番好きなパンはピザです。クワトロチーズに、はちみつをかけて食べるのが好きです。



是非、ご自身のからだを、パンだと思って見つめてみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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