創作エッセイ(20)俺のデジタル文章入力マシン遍歴

(2009年 06月 30日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
 私はワープロ専用機の時代からのキーボーダーである。手書きの文字が下手というのもその理由なのだが、文章はキーボードで打つ方なのだ。
 コラムや書評や下手な小説などを思いついたときにパチパチと打ちたくて、携帯用の文章打ち機を今まで色々試した。

モバイルギア2MC-R520

 一番気にいっていたのは、NECのモバイルギア2MC-R520(WindowsCE)で、これは90年代から世紀を越えて昨年まで使い続けてきた。ところが、ついにこれが壊れてしまったのだ。
 昨年は、こいつの後継機を探して模索が続いた。

EeePC4GX

 最初に購入したのが、ASUSの初代Eee-PC。悪くはなかった。むしろモバイルギアにすごく近い。ただ、WindowsXPを立ち上げるのが面倒なのだった。

Willcom03(WindowsMobile6)

 次に購入したのが、Willcom03(WindowsMobile6)で、これにUSBのキーボードを接続してテキストを打ったのだが、今一つだった。

POMERA DM10

 そして最後が、このPOMERAだったのだ。ついにこれで私の遍歴は終わった。
 POMERAの良いところは、とにかく起動が速いこと。スイッチ入れると即起動ですよ。そのかわり、できることは原稿用紙にして20枚程度の文章を打って保存するだけ。ファイル形式は「.txt」だけ。でも、この割り切り具合が個人的には正解だ。勤務先にはノートPCがあるし、自宅にはデスクトップがあるから、出先ではテキストで打っておいて、PCで加工すればいいわけだ。
もう私は、PCと似たようなものと考えず、テキストファイルを加工できるモノクロモニターと折りたたみキーボードのついたUSBメモリーだと考えている。
 その割には折りたたみキーボードがとんでもなく使いやすい。あのキーボードに定評のあるモバイルギアを使っていた私が満足できるキーボードなのだ。しかも、日本語入力はATOK。これは、モニターとキーボードとメモリーが付いたATOKとも考えられるわけで、当然ここまで考えると買って悔いなしだ。
 この文章も、いつもの喫茶店で、当のPOMERAでパチパチと打ち上げた次第である。
(2023/10/07 追記)
 この後、壊れたDM10の二代目を購入した後、歴代のPOMERAを使い続けている。近年の作品はすべてPOMERAで執筆。主に地元の図書館と愛知県図書館、地元のタリーズとスターバックスなどを日替わりで移動しながら執筆している。

これはDM100

 現在の愛用機はポメラDM250。シナリオモードが便利で、シノプシスから箱書き、そして本執筆まで、これ一台で済んでいる。原稿用紙換算の枚数を知りたいときはフレームモードで400字モードに切り替えて把握できるし、便利なマシンである。

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