ブックガイド(114)「顔のない男」北森鴻

2000年の作品なのだが、面白い。本格推理の名に恥じない。ラストまで一気に引っ張られた。

 原口と又吉の刑事コンビが全身の骨を砕かれた惨殺死体事件を捜査する。どうやら被害者は、空木という名の探偵らしい。しかし空木という人物は全く謎の人物だった。彼の残した調査ノートから二人は探偵の正体と彼の調査していた謎を追うことになる。
「犯人は誰だ」と同時に「探偵は誰だ」と。なんという挑戦的な話。各話の冒頭に一人称視点のエピソードを配置しているが、物語が混乱することもない。
 あまりの面白さに三時間で読み終えてしまった
顔のない男

(追記)
この刑事コンビ、「香菜里屋シリーズ」にもゲストで出ています。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?