映画レビュー（７２）「狂覗」

　冒頭、瀕死の状態で発見された中学生教師。
　犯人は、同校の学生かもしれない。原因追及の責任を押し付けられた科学教師の森は、現状を把握するために、体育の時間を利用して生徒の所持品をひそかに検査する秘密捜査だ。新任の教師を含む五人の教師が行う秘密検査は生徒たちの秘密だけではなく、教師たちの秘密まで暴いていく。
　いじめを隠そうとして、生徒たちの問題から目を背ける担任。弱みを握られている教師。以前の職場で生徒の死に直面してトラウマを抱える新任教師。
　教室での五人の教師たちの密室劇である。保身に走る者、傲慢な者、拗ね者、等。様々なキャラがぶつかり合う。脚本も巧い。
　冒頭から、一切だれることなく緊張の中でエンディングに突っ走る。
　このような作品に出合えたことをAmazonプライムビデオに感謝したい。

「狂覗」