映画レビュー(38)「Mr.ノーバディ」

昨今、流行の「無双モノ」

 一見普通の男が事件に巻き込まれて戦うが、実はめちゃくちゃ強いぜ、という意外性と痛快さで受ける、俗にいう「無双モノ」
 同様の作品だと「ジョン・ウィック」とか、旧いところだと「ランボー・シリーズ」(2以降)だろうか。
 戦いの仕方や、即興で利用するギミックなどが面白い。敵役がロシアン・マフィアというところが同時代性かな。
 タイトルのノーバディは、無名とか何物でもないという意味だが、ラストシーンで、お前は誰だと聞かれて、主人公がこう答えるところが見ていて快感。
 細かなところでは、音楽の使い方が巧い。特に主人公が最後の戦いに駆け付ける際、車のプレーヤーに放り込んだカセットテープから、パット・ベネターの「ハート・ブレイカー」というハード・ロックの古典が流れた時には、「わかってるじゃないか!」とうれしくなったぐらい。
 これも昨日アップした映画評の「アトミック・ブロンド」と同じように、けっこう頻繁に見直している。再見に耐えるだけの面白さがあるのだ。
(追記)
 音楽センスなど高齢の観客殺しだなと感じた。
 パット・ベネターをはじめとして、東京で営業マンやってた1980年代前半、ラジオのFEN(ファー・イースト・ネットワーク 米軍極東放送)でよく聞いていたナンバーが流れてきて当時を思い出した。木曜日の午後にハードロックのプログラムがあった。同時期、TBSラジオの「大沢悠里ののんびりワイド」もよく聞いてたけどね(苦笑) 23歳だった。

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