映画レビュー(15)「K-20 怪人二十面相・伝」
「K-20 怪人二十面相・伝」
(2008年 12月 23日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
これは傑作だと思う。
今から1/4世紀前、多くの日本の映画ファンは「ルパン三世 カリオストロの城」を見ながら、「なぜ、日本ではこのような面白い映画はアニメでしか出来ないんだろう」とため息をついていたものである。
だがついに、実写で、日本人のヒーローがスクリーン狭しとばかりに縦横に活躍する映画が現れた、それが「K-20 怪人二十面相・伝」なのだ。
まず、世界大戦が無かった世界の日本という舞台が魅力的。レトロで異国情緒満点の風景。
またシナリオがよく練られている。笑いのシーンでも「行き過ぎず」、「下品にもならず」、違和感なく収まっている(これは日本映画では稀有なこと)。佐藤嗣麻子監督脚本、脳裏にしっかり刻まれた。
「カリ城」に対するオマージュも多々見受けられる。関係者の弁どおり、松たか子のお姫様は、まさに「クラリス」でんがな。
続編を希望したい。この世界と、登場人物たちに、また会いたいのだ。『ALWAYSシリーズ』でも驚きの映像をを作り出した白組の映像も見事。
当時、話題になり始めていたパルクールをいち早く取り入れている。
※金城武をはじめとして、登場人物がみな魅力的だ。この、「人物たちの魅力」だけで、映画は際立つという証明である。
K-20 怪人二十面相・伝 通常版 [DVD]
(追記 2023/08/04)
個人的に、邦画の演出や音楽などのセンスが「許せる」レベルになったなと思ったのは原田眞人監督の「ガンヘッド」を見た時かなあ。あの時代から邦画は質的にも蘇った感がある。
佐藤監督の夫が山崎貴監督ということで、特撮などのセンスに通じるものあるなと思った。
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