映画レビュー(84)「蜜蜂と遠雷」


 原作は音の聴こえない小説だった。それだけでも十分にすごい作品を、実際の演奏と音楽を添えて演じられるドラマが傑作にならないわけない。という作品。
 蜜蜂とは16歳のピアニスト風間塵の渾名・蜜蜂王子から来ている(原作による)。一度コンクールから逃げたかつての天才少女、正確さを追い求めて病みかけている幼馴染の青年。年齢的に最後の機会である兼業ピアニスト。
 彼らの心を、風間塵の音楽に対する天真爛漫な気持ちが少しずつ変えていく。そんな心の変化を言葉ではなく映像と音楽で見せていく。その映像の美しさよ。監督の石川慶、才能あるなあ。「愚行録」もすごかったけど。

蜜蜂と遠雷
原作小説
蜜蜂と遠雷

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