映画レビュー(19)「ある日どこかで」(1980年)

カルト・クラシックと呼ばれるほど

(2004年 10月 31日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)
 少し遅れたが、俳優クリストファー・リーブへの追悼の意を込めて。
この作品のあらすじは、以下の通り。
 新進劇作家リチャードは謎の老婦人から古い金時計を渡された。そして8年後、彼は古い肖像画の貴夫人に魅せられ、それが老婦人の若き日の姿(ジェーン・シーモア)であることを知る。すでに死んだその老婦人に会うため、彼はある方法で時をさかのぼる。

 原作・脚本は短編の名手リチャード・マシスン。
 実らぬ恋の障害が「時の壁」というすばらしい設定。何より俺は、シーモアのクラシカルな美しさに打ちのめされましたよ、当時。こりゃ時を越えてしまいますともさ。
 原作は、世界幻想文学大賞を受賞している。映画はアカデミー衣装デザイン賞を受賞。

リチャード・マシスンの原作

 舞台となるグランドホテルもすばらしい。
 実は、公開から20年以上も経っているのに、世界中にファンクラブがある。それだけ見た人を魅了してやまない作品なのだ。
 実は俺は、辛口で冷笑的にしか映画を見たり語ったりしかできない嫌なやつなのだが、そんな俺が「劇場で泣いた」という数少ない作品の一つなのである。
ある日どこかでSOMEWHERE IN TIME・DVD
ある日どこかで創元推理文庫
↓舞台となったグランド・ホテル、映画を偲んで訪れる客が後を絶たない。歴史のページには、この映画の記述もある。
グランド・ホテルホームページ

※ちなみに俺が泣いた作品は、以下のようなものだ。
「自転車泥棒」7歳の時。
「道」(フェリーニ) 中学2年
「ラ・マンチャの男」高校2年生
「さらは青春の光」大学2年
「初恋のきた道」43歳

(追記 2023/09/04)
私はリチャード・マシスン好きが昂じて自分の作品に狂言回しとして登場させてしまったほどである。その作品が、「不死の宴 第二部北米編」もし興味を持たれたらリンク先へどうぞ。
Amazon.co.jp: 不死の宴 第二部 北米編 電子書籍: 栗林元: Kindleストア

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