支持者のできる選挙戦略

都知事選に新人候補が勝つには

今回の都知事選は非常に注目度も高く、おそらく投票率は高くなることは間違いない。しかし、"このまま"では現職の当選となってしまうことだろう。都知事選は現職が負けたことがない、という選挙であるが、この"不敗神話"が継続してしまうことになる。
今回の都知事選で現職を打ち負かす可能性があるのは現在の候補者の中では石丸伸二氏だろう。蓮舫氏は立憲民主党、共産党の連携で支持をしているが、思った以上に共産党アレルギーが強く、票読みの中でも頭打ちの状態だ。この1週間で情勢調査の数字が伸びていないことからもここから大幅に新たな票を獲得するのはなかなか厳しい。
今回の選挙、小池百合子氏には自民党、都民ファースト、国民民主党都連、連合東京などの大きな組織票がまとまっている。これまでの選挙から大きく票数は落とすことを想定しても情勢調査の数字から算出しても200万票越えは堅いラインだろう。一方で蓮舫氏の支持基盤では200万票は届かない可能性も全然あり、170万票周辺でも驚きはしない。
現段階では、情勢調査を鵜呑みにすると、石丸伸二氏は小池氏にはまだ届かない。そこで支持者が必要な行動はSNSでの口撃合戦ではない。いまSNSで口撃合戦をしている相手は"既に投票先を決めている人"である。この人を口論や口撃でいくら説得しても投票先を変えるということはほぼないだろう。
もちろんSNSでのネガティブキャンペーンを減らすことは大事であるが、ネガティブキャンペーンをする相手は"野党"のように次から次へと新しいネタを持ってきては批判を展開する。このようないたちごっこに支持者・有権者の大事な時間を割くのは限られた選挙期間の中では大変もったいない。

左右する維新の会とれいわ新選組

まだ投票先を決めてない人でいうと今回の投票結果は静観を表明している維新の会とれいわ新選組の支持者もそうである。石丸伸二氏に推薦を断られているが政治的な親和性のある維新の会と、そもそもが無党派層の人の多い左派のれいわ新選組の投票行動が読めない。れいわ新選組は親和性の高さであれば蓮舫氏であるが、山本太郎氏もタダでは応援するとは言えないだろう。小池氏支持を表明はしている国民民主党も石丸伸二氏との親和性はあるので票は割れそうである。
この票が割れそうな政党にどこかの立候補者がヘルプを出すのかもこれからの気になるポイントである。山本太郎氏の動きにも注目したいところだ。政党への応援依頼の動きは早くしないと有権者の投票行動は進んでしまう。

無党派層の投票率アップが肝である

一番効率が良いのは"投票率アップを目指す"ことである。これまでの政治に興味のある人間が投票に行くだけでは結果は変わらない。新しい人が投票をすることで結果が変わるのである。単純計算で投票率が10%上がると約100万票が新たに増えるのである。選挙期間も折り返し地点である。新しい都知事の誕生を願う人は、投票率を上げることを促すことが大事だ。無党派層の中では石丸伸二氏がリードしているという情勢調査もあり、投票数が増えればそれだけ差が縮まる。

身近にできる具体的な行動

まず、身近にできる投票率を上げることを考えてみるのだ。もし、18歳以上の子どもが身近にいれば、一緒に投票に行くことを約束する。7月7日に仕事が入っている人には事前投票をすることを促す。シフト制のアルバイトの人は事前投票をして、シフトを変わってあげるなどの離れ業も可能だ。学生なら友達と一緒に選挙に行ってから遊びの約束を取り付ける。興味なさそうな人と会社で政治の話をしてみるなど。
こうした小さい1票の積み重ねが投票をアップさせる。今回はたった1票で選挙は変わることが示せる貴重な選挙戦だ。今回の選挙は開票と同時に当確速報のない選挙になることを願う。

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