#11 高校時代の自分①



社会人1年目の時、私は営業の仕事をしていた。
個人宅や企業にお邪魔して常備薬の点検をする仕事だった。

あるお客さんの中に
当時小6の娘さんがいるご家族がいた。
その娘さんは私のことが大好きだった。
私が家に行くとドアのほうから覗いてきて、私が目を合わすとバッと逃げていく。
私が「逃げるんやったらもう帰るで〜」と言ったら
彼女は「帰らんといて〜!」と言う。このやり取りがお決まりだった。
彼女は恥ずかしがりなのだ。

そして私が会社を辞める時、最後にご挨拶に行った。
そこのお母さんが彼女に「お兄さんもう辞めるんやって。もう会えれへんのやって。最後に聞いときたいことあるんやったら言ってごらん。」

私はどんな質問にも答えるつもりだった。まあ小学生だから好きな食べ物とか年齢とか聞かれるんだろな〜と思っていた

恥ずかしがり屋さんな彼女の口が徐々に動き始める。
「く……く、く、く……

く?
あれかな〜?クリスマスについての質問かな〜?

「黒歴史は、ありますかっ!?」

????

小学生なのにもうそんな言葉知ってんの。

ということなので私の黒歴史である
高校時代のことについて書こうと思いました。

もう67年ほど前の話です。

学生時代、特に高校の3年間は空白の時間だったと感じている。 
自分の考えがなかったからだ。
何をするにも誰かがなんとかしてくれる。助けてくれる。と思っていた。
自分のケツもろくに拭けず、腹のくくり方もわからず、
人の顔色を伺い、常にオドオドしていた。

ただただボーッとしていた記憶しかない。

当時の自分に言いたいことは山ほどあるが、
自分なりに要約してみた。

・高校生活に憧れを抱くな!黙って勉強しろ!バット振れ!走れ!

・全員に好かれるなんて無理だから自分に正直に生きろ!でも責任は持てよ!

・今更変にカッコつけたり恥ずかしがるな!お前は元々ダサいねん!

・先輩とか、自分より優れてる同級生のことをそこまで凄いと思わなくていい!本人はこれが当たり前やと思ってるし後輩はお前のこと凄いなんて絶対思ってないから

・勝手に自分を追い込むな!
誰もお前を見てないぞ!
誰もお前を気にしてないぞ!

まあこんな感じですかね。
これは部活にも勉強にも言えることだと思う。

私が所属していたのは野球部だった。
以前の記事にも書いたが、野球部に入ったきっかけは特にない。野球以外にやることがなかったからだ。

でもレギュラーになって活躍したいという気持ちはあった。気持ちは。

入部して早々、入部前に感じていた小手先の高校野球へのビジョンは一瞬で打ち砕かれた。

①同級生のチームメイトに嫌われる。

高校に入学する1週間ほど前から練習に参加した。
同期は私含め14人ほどいて、中学の時からの地区の選抜メンバーがほとんどだった。私はその選抜メンバーに入っていなかったので入部当時から派閥のようなものが出来上がっていた。

だから私のことを知らない。見たことがない。という理由で同期からは雑に扱われたりした。

会話の中に入ると睨まれるし
お前誰やねん。みたいな顔でよく見られた。

え、これから一緒に野球するんですよね?
誰でも最初は初対面ですよね?

4月になり、一限に間に合う時間の電車に乗った。
校門に入ると野球部の監督が立っていた。
「お前なにしてんねん。授業ある日は8時にグラウンド集合やぞ。」

えっ?
時計を見ると8時25
慌ててグラウンドに向かうと
ベンチで先輩がこちらを見て睨んでいる。

先輩が目くじらを立てて私に言う
「お前なにしてんねん。」

あとあと聞くと別の先輩から聞いたが
その時私の同期で責任者をしていたヤツが
私にだけ集合時間を伝えていなかったそうだ。


これから新しい世界に足を踏み入れる人に一言言いたい。

"第一印象ってめちゃ大事やで!"

それでは午後の仕事行ってきます。

につづく