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オトメとおばさんの境界線

世の中の人は、いったい何を基準に「おばさん」認定をするのだろう?

何を今さら。
もうじゅうぶん過ぎるほど「おばさん」という言葉を受け入れているし、そんなの年代によって認識が違うに決まってるじゃないか。
しかし、それでも「ちょっと知っておきたい」と思うのが五十路のオトメ心である。

BIGLOBEが2018年に10代から50代の男女1500人に対し行った「年齢に関する意識調査」によると、「おばさん」と思う年齢は平均45.4歳。
女性誌「CanCam」ともなると、平均31.9歳といたって手厳しい。

こうした結果を見ると、やはり年齢から来るイメージは避けて通れないことがわかる。

確かに自分が10代の頃、50歳と聞くだけで「おばさん」の烙印を心の中でそっと押していたもの。
そりゃ仕方ない。

しかし、いざ五十路を迎えてみると、単に年齢だけでなく、若い頃には見えなかった「おばさんとオトメを分ける境界線」があることに気づく。
それは「オトメの舞台」である。

舞台に上がっているうちは、自分を見られる対象としてあれこれ努力し、オトメをキープする。
しかし気を抜いたらそれまで。
他人からも「あの人、オトメの舞台降りたな」と即気付かれてしまう。

オトメの舞台に立ち続けるための条件はたった一つ。
人目を気にすることに尽きる。

人目を気にすることなく、「ま、いっか」という気持ちが勝つと、知らぬ間に舞台から降りていたりする。
そして「ま、いっか」が限界に達すると、だらだらと流れる花粉症の鼻水のごとく、「あきらめ」が全身から溢れ出す。

例えば、それは40歳を越えたと同時に、油断するとゆるやかに増えていく体重。
美味しいものやお酒をいただく際、「ま、いっか」を小刻みに繰り返すと、体重はあっという間に増え、横腹や背中、そして首の後ろといった、これまで贅肉がつかなかった場所に粘土を重ねていくよう、うっすらと肉がついていく。
その集大成が、シャープなラインとは無縁の、全体的に丸みを帯びたおばさん体型なのだ。

五十路オトメは、「ま、いっか」もたまに入れつつ、基本は「オトメでいたい」をメインにしないとエライことになる。

「ま、いっか」があらわれるパーツにはさまざまなカテゴリーがあり、肌、ヘア、オシャレなどが自己診断しやすい。

また「ま、いっか」の混入具合は、気を抜いてる時に他者に撮られた無加工の写真や、電車の窓に映った自分で確認することができる。

その残酷なまでの現実に「うわ、ひどい」と落胆しつつも素直に受け入れ、けなげに軌道修正する。

このどこまでも地味な作業こそが、「オトメでいたい」というモチベーションを保つ鍵。
そしてまた「オトメの舞台」に立ち続けるための大切なファクターなのだ。

★写真はオットが選んだかき氷。実は私より血中オトメ濃度が高い。


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