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読書欲

 もっぱら遅読の私だが、2024年6月16日は旺盛な読書欲に支配された。

・『シラノ・ド・ベルジュラック』、ロスタン、辰野隆、鈴木信太郎訳。
・『お気に召すまま』、シェイクスピア、松岡和子訳。
・『ロレンザッチョ』、ミュッセ、渡辺守章訳。

1日3冊、戯曲。うん、読み過ぎた。世の中には「速読の名手」がいるだろうから、僕なんぞ蟻んこ同然なわけであるが、とはいえよく読めたものだと思う。折に触れて読み返し、味わい残した滋味を楽しみたい。

 惜しむらくは、フランス文学を勉強している身ながら、フランス語の戯曲をフランス語で読めていないことだろうか。まあ、Musset の La Confession d'un enfant du siècle は目下フランス語で読んでいるから、許してほしい。(誰に?)

 印象に残ったセリフのメモ

市民諸君、こっちへ来い!蹂躙されているのだ、諸君の権利は!これは民衆に対する侮辱だ!

Citoyens, venez ici ; on méconnaît vos droits, on insulte le peuple.

『ロレンザッチョ』、ミュッセ、第五幕 第六場

こんなことを16世紀の人間が言うのか(言えるのか)は定かではないが、少なくとも19世紀以後には人口に膾炙している表現なのだろう。

 来週は卒論の準備をしつつ、ギリシア悲劇でも読もうと意気込む、梅雨待ちの六月のむくつけき深夜のことであった。

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