逆転出世

 僕は、とある車業界の下請け会社で働く営業マン。大学(教育学部)を卒業後、なんとなく、「車が好き」という理由だけで飛び込み、はや10年、現在32歳、彼女いない歴が年齢の自称「陰キャラ界のレジェンド」
 
 いきなりこんな事を言うのもアレですが、僕は後悔しています。僕はそもそも口下手でおとなしい性格なのに、営業職に就いてしまったことです。なので、当然業績もいつもビリですし、ノルマをクリアしたことが一度もありません。会社からしたら、お荷物でしかなく、本当に申し訳ないと思っています。しかも、営業まわりがない時、僕含む社員達は、事務補佐や庶務、雑務をしているのですが、僕は手際も悪くて、迷惑ばかりかけています。なので、当然、会社内で僕は白い目で見られることもしばしばあります。先輩から、屈辱的なことを言われたことさえありました。

 そして、とうとうノイローゼになってしまった僕は、自分の全てを勇気を振り絞って部長に相談しにいきました。相談した同じ部署の部長は、「澤田さん」という女性の既婚者の方です。彼女は、お子さんがふたりいらっしゃるしっかり者のママです。僕は、澤田部長に、すべてのいきさつを話し、「仕事ができなくてすみません……」「おとなしい性格ですみません……」と涙ながらに、謝りました。

 すると、澤田部長が、

「そういえば、あなた……、、、後輩からあなたの教えかたが上手い! って評判高いわよ?? しかも、教育学部出身だったわよね…? 」

「ちょっと待ってて…! これ、上に報告しておくから、1週間以内には、あなたに私から直接連絡を入れるわね」

ーーーそして3日後

「上の許可がおりたわ! あなた、営業から人事部に移動して、新人教育や人材育成の方に行ってみない…?」

「……(涙)」
「はい! 喜んで……」

 僕は、その後人事部の一員として働き、もともと教える事が得意で、面接でも、人を見る目はあったほうなので、頭角を現し、わずか1年で人事部内のリーダーになり、おまけに人生に活気も出てきたのか、社内で彼女までできました。

ーー逆転出世
ーー人生って何が起こるか分からないね

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