未だ聴こえない音楽の制作日誌-29- 運まかせの作業中
現在アルバム制作は1曲目に戻り、手直しを含め楽曲の全体像を作り直していくという段階。のはずが、1曲1曲ほぼ完成させていく作業になっている。
以前にも書いたが、漫画家で言えば藤田和日郎のように、ネームの状態から修正ペン片手に一気に仕上げてしまう、衝動重視の制作方法を取っている。
「うしおととら」は私の好きな漫画トップ5に入るくらいの作品で、昔から氏の漫画が好きだったのは、その制作方法は知らずとも作品の中に溢れた衝動みたいなものがダイレクト感じられたからかもしれない。なぜ「うしおととら」が好きか、明確な理由を持ち合わせていなかったが、浦沢直樹の漫勉でその制作方法を知って、深く納得した。
さて、そのように感情と衝動重視でエレクトロニック音楽を作っていくことも可能だと思う。もちろんリスクは伴う。気持ちのままにいじくり回して、音が悪くなってしまっても戻れなくなったりすることが多々あって、そういう時は何時間も前のバックアップデータにも戻らなければならず、時間を無駄にした気持ちでいっぱいになる。
また、中途半端な技術でこれを行うと、最終的に修正のしづらい音楽が出来てしまうこともあり、いかに人の手を借りようとももう自己満足の音楽の範疇から抜け出せず、手放すしかないという状況が起こりうる。
が、これまで作ってきた作品の中で自分でもある程度の納得を得られている作品は全て感情のまま一気に仕上げた作品だったりする。
ある意味、運まかせのような作り方。
一曲が完成し終わった後に「今日は運が良かった」などと言うのはプロとしてどうなのかと自分でも思うが、仕方ない。今の私にはそのスタイルが一番合うような気がしている。
という訳で現在の制作スタイルは、3〜4日かけて1曲を完成させ、それを毎日聞き返していく中で気づいた点を少しづつ修正していくということになっている。
頭の3曲がほぼ完成、ということなったがここから先はどうなるか分からない。もしかしたらほとんど始めに戻って再構築しなければいけない予感のある曲もある。
が、このままズルズルと終わらないことになってしまうのを避けるため、自分の中のアルバム完成の〆切を決めることにした。
3月31日。
あと1ヶ月でアルバムのデモを完成させたい、と思っているが果たしてどうなるか。
明日も音楽を作ろうと思う。
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